夫婦で一緒のお骨仏に眠りたい
ご主人が、突然お亡くなりになり、何をしていいのか?どうすれば良いのか?
本寿院に相談がございました。
ご主人のお遺骨は「お骨仏」にお納めするのですが、私が亡くなったときは、一緒に入れるのでしょうか?というものです。結論は後ほど記載しますが、同じような相談も多いことから、ご相談に至った経緯からお話ししてまいりましょう。
第1は、戒名です
「主人が亡くなりました。どうしたらいいのでしょうか?何からすればいいのですか?」と半べそで電話がありました。葬儀は、俗名で済ませたそうです。
まず第一は、戒名を授かる事です。戒名を授からないと、位牌も作れません。
通常、葬儀の時に白木位牌を作ります。亡くなって死出の旅路に出ていくわけです。
ですから、亡くなって初七日・二七日~四十九日と7日ごとに法要が厳修されます。
最近では、簡略されて、葬儀時に初七日迄行うケースが多くなってきました
(もっとも都会では、火葬場の予約が込み合っている事から亡くなってすぐに葬儀が出来ず、葬儀をするのが1週間後というのも珍しくなくなりました。)
さて、死出の旅路に出る際、49日迄はまだ、霊が彷徨っていると考えられてきました。
あの世で、7日ごとの裁判をうけ、そしてやっと忌明けとなるのです。
葬儀時には「ご霊前」と書いてお金を包んでいたのも、49日からは「ご仏前」に変更となります。
よく勘違いされるのが、お盆前に亡くなった場合、49日を過ぎて初めて迎えるお盆が「新盆」であるという事です。ですから、7月前半に亡くなった場合、49日はお盆が過ぎている事から、新盆は、翌年となります。
というのも、49日迄はまだ、この世に彷徨っていると考えられ、49日を過ぎてやっと先祖の仲間入りをするのだと信じられています。
(不思議な事は、神道でも50日祭を行いますので、非常に似ていることもあります。)
最近は、白木位牌の大切さをわからない方が多くなり、葬儀の時に、とりあえず簡単に・・・と白木位牌を用意しない方が多くなりました。
どうせ49日までで燃やすものだから不要であると、節約される方もあるのでしょう。
私は、葬儀ディレクターになる学生たちに長年講義をしてきました。その時にうるさく言っていたのが「白木位牌」の事です。そのように授業をうけた生徒たちは、白木位牌の重要性を理解し、簡略になることを避けてくれている事と存じます。
しかし、白木位牌がないという事は、魂はどこに宿るのでしょうか?
肉体から飛び出した魂は、遺骨に戻るのでしょうか?
そして、遺された方が、手を合わせるのが、遺骨や遺影ではなく「位牌」であるという事です
位牌に向かい、心を込めて冥福と感謝の思いを向けるのです。
白木がない方は、49日迄落ち着かないとよく聞きます。
もし、白木のない方は、どうぞお知らせください。当院で急ぎ造立してお渡し、お送りします。
急ぎ、遺骨のそばにおいてご供養なさってください。
49日までは、霊がそばにいる
今日のご相談の方は、ご主人が亡くなる寸前、布団のそばで風が吹いたとお話しされていました。
昔から亡くなるときには、虫の知らせとでも言いましょうか、不思議な事がたくさんございます。
また、亡くなってから49日までは、もっともたくさんの逸話が残されています。
事実、私の場合も、先代住職が毎朝側にいてお勤めを見ていた気がしていました。
多くの方が、49日迄は、何だか側にいて見つめている気がするとお話しされるのもうなずけます。皆さんもお聞きになった事はございませんか?
戒名とは文字ではない
さて、戒名を付けてくださいと「命名」を求められる方も少なくありません。
本寿院では、戒名の大切さについてお話ししております。(戒名ページをご覧ください)
戒名とは、戒律を授かる事であり、仏弟子となる事であります。
昨今は、戒名いらないとか戒名不要論を言われる方がありますが、大きな間違いで、戒名は必ず必要なものでございます。成仏とは、まさに戒名を授かり仏弟子となることで、戒名がなくては成仏できません。
多くの場合は、戒名料が高いと経済的な事を訴えられますが、当院では、費用の事より供養が先と、戒名料を心配することがありません。
戒名を授かった後は、お位牌をお造りになります。当院で用意できるのは一般的なものだけです。位牌の種類は多くあり、安い物から高いもの迄ございます。すべて、仏壇店にて彫っていただきますので、職人さんのお仕事になります。
しかし、30年ほどは皆さんが手を合わされるものですの、あまり安物はお勧めできません。
途中で剥げて来たり、劣化してきてしまいます
49日法要にご納骨
そして、49日の準備をしていきます。
多くの場合、49日にご納骨をされるのが一般的です。
今回のご主人様も、本寿院供養堂にて49日法要を厳修し、位牌を造立し、白木位牌をお焚き上げ、そして分骨を手元供養にして、お骨仏にお納めします。
手元供養
主人の遺骨にお布団をしいて寝ていますとおっしゃっていました。
ご家族は別々の家庭を持ち、夫婦二人だけの生活だったそうです。それが、突然の別れとなり、一人ぼっちになってしまいました。
とても寂しくて、ご自分の布団の横に主人の遺骨を布団をかけて寝ておられるそうです。
とても素敵なお話ですが、遺骨は結構重くて大きいものです。
リビングにおいて、寝室に置いて・・・とまるで生きているときと同じように移動させ、語り掛けている方もおられます。
しかし、それでは、いつまでも寂しくつらい日々が続くと考えます。
無機質な骨壺を前にして話しても、寂しさは癒えないのではないでしょうか?
私のおすすめは、手元供養としてつちぼとけを作ってみてはいかがでしょうか?
ニコニコ笑っているお地蔵様の胎内に分骨を納めてお話をする。
お地蔵さんが笑っていれば、いつしか私達にも笑みがこぼれてきます。
一緒にお骨仏に入る方法
さて、本題となる、一緒にお骨仏に入るにはどうすればいいか?についてお答えします。
現在のお骨仏の胎内には、3千人ほどの方が納骨されています。
ただ、ある一定の数になれば、胎内が一杯になってしまいます。
その場合、もう一体のお骨仏を造立するか?もしくは取りやめるか?しかありません。
もう一体のお骨仏を作った場合、別々のお骨仏となります。
取りやめた場合は、別にお墓を求めることになる事でしょう。
そこで、
生前にお骨仏申込
生前にお遺骨仏の申込をしておかれることで、その悩みは解決できます。
実は、同じようなケースが多く、伴侶で眠りたいと、生前に申し込みの方が、3割ほどおられます。
生前の方の分まで、スペースを空けておきますので、もしもの時は、同じお骨仏に埋葬されることになります。
お骨仏の費用は、無料で、年間管理料もございません。
ですから、生前に申し込んでおいて悪いことは一つもございません。
遺族の方も、お父さんとお母さんの遺骨が別々であれば、別々にお参りしなくてはなりません。
こうして、死後の不安を取り除くことで、もっと生を輝かせていただきたいと願っております。
みんなと一緒になるのがちょっと・・・・
余談になりますが、同時にこんな意見もございました。
お骨仏に入る方が、みんないい方ばかりとは限りません。もし、いやな方が入っておられたらどうしようか?と心配ですとの事
亡くなって、仏様となります。あなたも私も、悪い人も全部、仏の子です。
この世(現世)のものさしで、善悪を決めるのではなく、仏様の物差しで考えてみて下さい。
極楽浄土では、だれも苦しまない素晴らしい世界があります。
一人でも嫌な思いをするのであれば、私は仏をやめると宣言されているのが阿弥陀如来様です。
仏様となって、仏の心をこの世を見てくださいとお伝えいたしました。合掌
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