Q:檀家をやめる方法
住職のYouTubeを見て感動しました。
住職のようなお寺であればいいのですが、私の菩提寺の住職は、お金のことばかりで困っています。
檀家をやめるにはどうすればいいのでしょうか?
檀家をやめるのは難しい
A:檀家をやめることは、実は簡単なことではありません。
長い間、先祖代々お世話になってきたお寺様との縁を切ることですから、相当の覚悟が必要です。
問題その1 お墓の事
お墓が、お寺の中にある場合、改葬しなければなりません。
改葬とは、お骨を取り出し、墓跡を撤去し、更地にしてお寺様にお返しする事です。
墓地は、買ったものではなく、借りているものです
墓地の権利書をご確認ください。「所有権」とは書いていません。「永代使用権」となっています。ですから、あくまで永代で使える、権利を買っただけで、自分のものではありません。
先般も、北海道にて納骨堂が経営破綻し、競売にかけられ、遺骨を持って帰らないといけないと報道されていました。
同じようなケースも全国にありまして、多くの場合は、別のお寺が引き継ぐケースが多いのですが。。。今回は株式会社が強硬に出ているのは不思議ですが、、、
このように、お墓は借り物であるという事です。
ならば、自分で遺骨を取り出して、自分達でお墓を撤去すればいいと軽くお考えの方も有ります。
お骨の移動は、法律的な決まりに則って行われなくてはなりません。
また、墓跡の撤去・処分も費用がかかります。新しい受け入れ先の墓所の確保など考えると新しいお墓を作るぐらいの費用になります。覚悟して墓じまいが必要です
改葬の流れ
1:新しい受け入れ先・「新しいお墓」を決めて申し込みする
受け入れ先から「受け入れ証明書」を発行してもらいます
2:今のお寺の管理者に改装する旨告げて、「埋葬証明書」を発行してもらいます。
ここが問題となります。本来であれば、先にお寺に、改葬してもいいでしょうか?と相談に行くのが筋であります。
今までお世話になりました、
引っ越しするので・・・
近くにお墓を求めたので・・・
孫が出来ず、いずれ無縁仏になるので墓じまい・・・
などの理由をつけて相談に行くと、まずは、
「お寺でちゃんとやるから大丈夫」と答えられます。
その上で、永代供養料として1千万円お布施の前納をしてください。
離檀料として3000万円
もしくは、では、当院の永代供養墓に移しますので、1柱(一霊)70万円❌8柱=560万円納めてください。
どちらの例も実際にあったご相談です。
もちろん、お寺側の考えもわかります。
①できるだけ檀家をやめる事なく続けてほしい為、諦めさせたい
②檀家をやめると、寺の運営ができなくなってくるため、檀家の義務として多めに払ってもらいたい。などなど
お寺ってなんでしょうか?
お寺は、株式会社でもなく、住職のものでもありません。
お寺は、檀家さんたちのものです。
檀家さんたちが協力して、お寺を支え、管理護持していく。
檀家さんたちが住職の生活を支えるとともに、住職は、仏教を説き、心の安らぎ、平安を得る
ですから、檀家が一人いなくなると、他の檀家さんにしわ寄せが行ってしまします。
地方で村のコミュニティが形成されている中で、一人の檀家がやめるとなると、村八分状態になります。
お寺と自分の関係だけでなく、檀家さん全員に関わる事です。お寺と交渉する前に、檀家総代さんと話し合いをされることをお勧めします。
埋葬証明書を得るのが大変で、この書類にハンを押してもらわないと、改葬証明書が役所から発行してもらえないことになります。
■地域に親族や親戚が在住している場合
檀家総代やご住職に相談され、円満な解決策を考えましょう
私が、群馬で戒名の講演に伺った時、聴衆者からは「住職の不満」ばかりが出てきました
高級車に乗っている
飲み歩いている
3回目の結婚
修行をしない
金の亡者
前の住職は良かったんだけれど、新しい住職(息子)の代になると、金金いうんだよね。という声は多く聞かれます。
ぐちばかりを言うのではなく、話し合いを持つことで、住職にも考えていただく、気づいていただく。
言い換えるならば、檀家さんたちで、住職を育てて行っていただきたいと考えます
できる事なら、今の菩提寺さんと仲良くやっていただきたいのが私の考えです。
■田舎の両親が亡くなり、その場所には誰もいない。子供たちは都会に移り住んだと言う場合
今後、田舎にお墓だけが残っても、どうしようもないことですので、
事前に相談するよりも、淡々と受け入れ先を見つけて、改葬の依頼をされるのがいいでしょう。ただ、離檀料という決まりはありませんが、今までお世話になったお礼として、30万円から50万円ほどのお布施をされるのが良いでしょう。
ある経済学者は江戸時代に構築された檀家制度というものは、今度どんどん寺離れが増え、新しい檀家が出来ず、いずれ寺院崩壊すると予想されています。
そのお寺は、近い将来、檀家がいなくなり、いずれ無くなっていく事でしょう。そんなこともお考えになり、できる限りのお布施をして、感謝の気持ちで円満に墓じまいをされることをお勧めします。
その2:お墓が町のお墓にある場合
お墓が、お寺の境内地になく、町のお墓や裏山にある場合もあります。
この場合は、檀家をやめることはそんなに難しくありません。
ただ、上述したようにお寺の経済状況は逼迫しているのが現状です
長いお付き合いをやめるのは、それなりの覚悟が必要となります。
2019年全国石材製品協同組合調べ
コメント