こんにちは。本寿院住職の三休でございます。今回は、ご先祖のお墓に刻まれた戒名を見て、お父様の戒名について改めて考えられた方から、お礼のお葉書を頂戴しました。お葉書の趣旨を要約しながら、お墓に刻む名前と、家族へ続いていく供養についてお話しします。
先祖の戒名が並ぶお墓を見て、考えが変わった
お便りによると、ご相談者とお母様は、当初、亡くなられたお父様に戒名を授かることを考えていませんでした。しかし、すでに複数のご親族が入っているお墓の石碑に名前を刻むとき、一人だけ俗名でよいのだろうかと感じ、本寿院にご相談くださったそうです。
葬儀のときには戒名はなくてもよいと思っていても、納骨を考え、お墓を訪れたときに、気持ちが変わることがあります。ご先祖の戒名が並んでいるのを見て、父の名前をどのように残そうかと考える。そのようなご相談は、私のところにも寄せられます。
今回のご紹介は、このご家族が感じられた迷いや、お気持ちの変化についてのお話です。墓誌の書き方にも違いがあり、すべてのお墓で俗名を刻めないという決まりとしてお伝えしているものではありません。
戒名をためらう理由を、まずお聞きする
私はご相談の際、なぜ戒名はいらないと思われたのかを伺うことがあります。信仰上の理由なのか、費用が心配なのか。理由をお聞きすると、その方が何に困っておられるのかが見えてくるからです。
動画では、費用のお話から、宗派についてのお話になる場合にも触れました。私は、仏教のもとをたどればお釈迦様に行き着くという思いから、宗派の名前だけでなく、何のために供養をしたいのかを考えていただきたいとお話ししています。
それぞれの方の信仰や、ご家族のお考えを伺いながら、安心して手を合わせられることを大切にしたいと思っています。
祖父の戒名にある「大居士」を知るきっかけに
お葉書には、お送りした本を通して、お祖父様の戒名にある「大居士」という文字の重みを知った、とも記されていました。お祖父様は海軍の軍人だったそうです。
私は動画で、その文字からお祖父様のお姿を想像してお話ししました。ただし、実際にどのような立場で、どのような働きをされたのかは、お葉書からは分かりません。戒名だけで経歴を断定できるということではありません。
大切なのは、ご先祖の名前を見直すことで、その方の人生に思いを向けるきっかけになったということです。戒名には意味があり、文字を知ることが、故人について家族で考える機会にもなるのだと思います。
故人にぴったりだと感じていただいた、別のご家族のお話
動画では、今回のお葉書とは別に、一周忌の法要で伺ったご家族のお話もご紹介しました。お授けした戒名を見て、故人にぴったりの名前だと感じ、涙が出たと伝えてくださったのです。
その方の優しさや生き方が、戒名から伝わってきたというお気持ちを伺いました。私は、そのように受け止めていただけたことを、ありがたく思っています。
戒名は、ただよい文字を並べて作るだけのものではありません。どのような意味を込め、なぜその文字を選んだのか。私がお授けする戒名については、ご希望の方にその意味をご説明しています。
墓誌に残る戒名を通して、子孫が手を合わせる
お墓に刻まれた戒名は、これから先も、ご家族や子孫が目にする名前になります。お祖父様はどのような方だったのか、お父様はどのような生き方をされたのか。そのことを思いながら、手を合わせることができます。
今回のお便りのように、ご先祖の戒名を見て考えが変わる方もおられます。私は、戒名が故人への思いをつなぎ、ご家族が安心して供養を続ける支えになってほしいと願っています。
費用が心配で戒名をためらっておられる方にも、そのご事情をお聞かせいただきたいと思っています。私は、戒名を商品の定価として考えるのではなく、お布施としてのお気持ちを大切にしていると、動画でお話ししました。
俗名のお位牌を考えていた方の別のお便りは、母らしい戒名へのお礼と、続いていく供養でもご紹介しています。
動画でご覧になる方へ
お墓を見て戒名を考えたご家族のお便りと、戒名に込める意味について、こちらの動画でお話ししています。
本記事は、本寿院住職・三休の動画「先祖のお墓を見て『やはり戒名が必要』と思った理由とは」をもとに再構成しました。お葉書と会話の内容は、趣旨を要約してご紹介しています。


