本寿院住職の三休です。大切な方が亡くなられたことを、時間が経ってから知る場合があります。「今から何をしたらよいのだろう」「もう四十九日を過ぎているけれど、供養はできるのだろう」と戸惑われる方もいらっしゃいます。
供養を始めるのに、遅すぎるということはありません。今回は、亡くなってから2年後に発見された弟様のために、白木のお位牌からお作りし、ご供養をさせていただいたお話です。
四十九日を過ぎていても、今からできる供養があります
通常であれば、お葬式を行い、四十九日、一周忌、三回忌と、ご供養の節目を迎えます。しかし、すべてのご家庭がその順序どおりにお別れをできるわけではありません。
今回のご相談では、弟様が亡くなられてから長い時間が経っていました。ご事情を伺う中で、日数だけを基準に進めるのではなく、まずお葬式をし、一つひとつご供養をしていきましょうとお伝えしました。お寺で葬儀を勤め、白木のお位牌をお作りしたのです。
なぜ2年後に白木位牌をお作りしたのか
白木位牌は、一般に四十九日まで用いるお位牌としてお話ししています。そのため、四十九日を過ぎてから新しく白木位牌を作る必要は、通常はありません。
ただし、今回大切にしたのは、ご遺族が今まさに、大切な方の死と向き合われているということでした。暦の上では2年が過ぎていても、ご遺族にとってのお別れは、そこから始まっていたのです。
今回の白木位牌は、時間が経った方すべてに必要なものという意味ではありません。ご事情とお気持ちを伺い、この方にはまず一つひとつ供養を重ねていただきたいと考えて、お作りしました。
本寿院では、白木位牌に文字を書いてお渡しするだけでなく、故人のための法要をお勤めしています。形を整えることとともに、手を合わせ、祈る時間を大切にしています。
葬儀には、残された家族の心を支える役割もあります
私は、葬祭に携わる方を育てる専門学校で仏教を教えていたことがあります。その中でお伝えしてきたのが、葬儀の役割です。
葬儀には、故人を供養すること、お身体をお送りすること、亡くなられたことをご親戚やお世話になった方々に知らせることなど、いくつもの意味があります。そして忘れてはならないのが、残されたご遺族の心を支えることです。
大切な方を亡くした悲しみは、「忘れなさい」と言われて忘れられるものではありません。しっかり悲しみ、祈り、手を合わせる。その時間をご遺族とともに大切にすることも、お寺の役割だと私は思っています。
「会いたい」という思いとともに、手を合わせる
「ごめんね」「悲しい」「会いたい」。そのようなお気持ちを、すぐに変える必要はありません。動画の中でも、すぐには難しいかもしれないとお話ししました。
供養を重ねる中で、いつか「見守っていてくださって、ありがとう」と、感謝の手を合わせられるように。その願いを込めて、私はご供養をさせていただいています。悲しみが消える時期を決めるのではなく、その方の思いを大切にしていきたいのです。
今回、ご遺族からは、弟様の戒名、白木位牌、そして本位牌について、お礼のお葉書を頂戴しました。少しずつ問題を整理していく中でお力添えができたことを、ありがたく受け止めております。
時間が経ってからの戒名・位牌・法要のご相談
「十分なお別れができなかった」「戒名やお位牌がまだない」「どこから始めればよいかわからない」。そのようなときは、今までのご事情をお聞かせください。
白木位牌を改めて作るかどうかも含めて、一律に決めるのではなく、ご事情に合わせて考えていきましょう。まずは、故人を思う今のお気持ちから、ご供養を始めていただければと思います。
本寿院へのご相談・お問い合わせはこちら。戒名授与については、本寿院の戒名案内もご覧ください。
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動画でご覧になる方へ
※本記事は、本寿院・三休の戒名チャンネルの動画をもとに、読みやすく再構成しています。お葉書の内容は要旨を紹介しています。

