葬儀を俗名で行った後でも、戒名についてご相談いただけます。「納骨の準備をしていたら、先祖代々のお墓には戒名があるのに、亡くなった夫だけ戒名がないと気づいた」。今回は、そのようなご相談をもとに、お墓・お位牌と供養についてお話しします。
こんにちは。本寿院住職の三休でございます。「戒名だけ、後からつけてもらえませんか」というお気持ちを、まずはそのままお聞かせください。墓石に刻むお名前を整えることをきっかけに、これからどのように故人に手を合わせていくか、一緒に考えていければと思います。
葬儀も位牌も俗名にした後で、戒名が気になったら
今回のご相談では、葬儀は俗名、つまり生前のお名前で行い、お位牌も俗名で作られていました。四十九日を終え、福島にあるお墓への納骨を考えたとき、先祖代々の戒名が刻まれている中で、ご主人だけ戒名がないことに気づかれたそうです。
ご親戚やご兄弟のことも考えると、やはり戒名があった方がよいのではないか。その思いから「戒名だけお願いできますか」というご相談になりました。私は、そのきっかけを否定するつもりはありません。後から気づいたことや、気持ちが変わったことも、遠慮なくお話しいただいてよいのです。
戒名を授かることを、これからの供養につなげる
私がお伝えしたいのは、戒名を墓石に刻むための文字だけとして考えず、ご供養にもつなげていただきたい、ということです。戒名を授かり、仏弟子として故人をお見送りする。そのうえで、お位牌やお仏壇に向かって安心して手を合わせられるようになればと思います。
お墓の文字を整えたいという願いから始まっても構いません。そこから少しずつ、故人との向き合い方を考えていくことができます。ご家族の事情や、これまで行ってきたご供養も伺いながらお話しします。
すでに俗名のお位牌がある場合はどうする?
ご相談者さまは、葬儀をしてくださったお寺に、俗名のお位牌の魂入れもしていただいたとお話しされました。私は、それで駄目だと申し上げたいわけではありません。これまで大切にしてこられたお気持ちがあることを、まず受け止めたいと思っています。
そのうえで、私自身は、戒名が記されたお位牌に向かい、お仏壇を開けて「おはよう」と声をかけられることに、大きな安心があると感じています。故人に向かって、穏やかな気持ちで「ありがとう」と手を合わせる。そのような日々につながることを願っています。
すでにお位牌がある場合、今後どのように整えるかは、現在のお位牌や、これまでお願いしてきたお寺との関係を含めてご相談ください。この記事だけを読んで、急いで作り直しや処分を決める必要はありません。
菩提寺や納骨先とのつながりも確かめましょう
動画では、菩提寺が遠方にあり、急な葬儀には来ていただけず、まず俗名で葬儀を行い、納骨の際に菩提寺で戒名を授かる、という流れについてもお話ししました。葬儀の時に戒名がなかったからといって、それだけで話が終わるわけではありません。
ご主人の先祖代々のお墓であれば、「自分はそのお寺のことをよく知らない」という方もいらっしゃいます。まず、ご家族にお寺とのお付き合いを確かめ、菩提寺がある場合は納骨や戒名についてそちらへご相談ください。関係が分からないときも、分かるところから一つずつ整理していけばよいと思います。
位牌や仏壇は、心を整えるよりどころに
動画では、お位牌やお仏壇をめぐる文化が、長い時間をかけて育まれてきたことにも触れています。私が大切にしているのは、形を整えることだけではなく、その前で手を合わせたときに心が落ち着き、故人への感謝を感じられることです。
これは、本寿院の住職である私の考えとしてお伝えしています。ご供養の形や受け止め方には違いがあります。初めてのことで戸惑いがあっても、一つずつ向き合うことで、安心して手を合わせられるようになればと思います。
戒名だけのご相談も、まずはお聞かせください
「お墓に戒名を刻みたい」「俗名のお位牌を作ったけれど、今からどうすればよいのか」。本寿院では、菩提寺のない方や、戒名・供養についてお悩みの方のご相談を承っています。
ご相談の際は、葬儀や四十九日を終えているか、お位牌があるか、納骨先や菩提寺が決まっているかをお伝えいただくと、お話を整理しやすくなります。分からないことは、分からないままお話しいただいて構いません。
詳しくは本寿院の戒名授与のご案内をご覧ください。個別の事情については、お問い合わせ・ご相談からお聞かせください。
動画で見る:主人だけ戒名がない…戒名だけつけてもらえませんか?
解説者と関連するご案内
解説:本寿院住職・三休。本記事は、住職本人の動画をもとに、相談の流れが伝わるよう整理したものです。本寿院と住職のプロフィールもご覧ください。

