【戒名相談】私は曹洞宗ですが、天台宗の住職から戒名を授かっても大丈夫?
先日、生前戒名を検討されている方から、このようなご相談をいただきました [00:21]。
「私は実家が曹洞宗(そうとうしゅう)なんです。三休住職のお考えに共鳴したので、ぜひ三休住職から戒名を授かりたいと思っています。ただ、住職のお寺は天台宗系(てんだいしゅう)ですよね。天台宗で戒名を授かるとなると、私は宗派を変えなければいけないのでしょうか? それとも、曹洞宗と天台宗の両方から戒名をいただいた方が良いのでしょうか?」 [00:21]
「違う宗派のお寺から戒名を授かってもいいのか」「先祖の宗派と違ったらどうなるのか」と不安に思われる方はたくさんいらっしゃいます [00:21]。
結論から申し上げますと、「何にも心配することはありませんよ」ということです [00:56]。今回は、多くの方が悩まれる「宗派の壁」について、仏教の歴史を紐解きながらホームページでも共有させていただきます。
そもそも「宗派」って何でしょう?
皆さんに「あなたの宗派は何ですか?」とお尋ねすると、「父親が曹洞宗で、母親は真言宗で……私は特に決めていないんです」とおっしゃる方が非常に多いです [01:05]。
宗派と聞くと、まるでプロ野球の「巨人」と「阪神」のように所属団体が全く違ったり、企業でいう「住友」や「三井」のように別の組織に属さなければいけないようなイメージを持たれがちです [01:41]。
しかし、大前提として「仏教は1つ」です [01:34]。すべてはお釈迦様の教えから始まっています [01:34]。
実は、日本にあるほとんどの宗派が敷いている「檀家制度(だんかせいど)」において、「うちは何々宗だから」と決まっている背景には、歴史的な仕組みがあります [02:04]。 江戸時代、幕府の政策(寺請制度)によって「この地域に住む人は、このお寺に登録しなさい」と強制的に決められたのが今の宗派の始まりであることが多いのです [04:42]。
つまり、ご先祖様がその宗派の教えを自ら選んで信仰していたというよりは、「たまたま近くにあったお寺に登録しただけ」というケースがほとんどです [04:37]。そのため、先祖の宗派に縛られて自分の生き方や終活を狭める必要はまったくありません [05:10]。
すべての宗派の母体である「天台宗」

私が住職を務める本寿院は天台宗の流れを汲むお寺です [02:47]。天台宗を開かれた最澄(さいちょう)様が比叡山を開いて以来、そこは日本の仏教の総合大学のようになりました [02:39]。
天台宗には、座禅もあれば、法華経(ほけきょう)も、念仏(浄土の教え)も、密教も、あらゆる教えが含まれています [02:58]。 歴史を見ると分かりますが、のちに新しい宗派を開かれた名だたるお坊様たちは、みんな一度は比叡山(天台宗)で修行をされています [05:54]。
- 曹洞宗・臨済宗(道元禅師・栄西禅師) ➔ 天台宗で学び、「座禅の教え」を深く追求していった [06:11]
- 浄土宗・浄土真宗(法然上人・親鸞聖人) ➔ 天台宗で学び、「念仏の教え」を広めていった [06:11]
- 日蓮宗(日蓮聖人) ➔ 天台宗で学び、「法華経の教え」を重んじていった [06:11]
このように、すべての宗派の根本は天台宗でつながっています [05:54]。お坊さんが唱えているお経の根本や髪型(丸坊主)も基本的には同じですし、衣や今朝の色に多少の違いがある程度です [06:32]。根本的な仏教の教えに違いはありません [06:32]。
仏教は「今をどう生きるか」の教え
多くの方が「お坊さんは死んでから必要になるもの(葬式仏教)」と思われています [03:50]。しかし、仏教というものは死んだ後のためだけにあるのではありません [03:11]。
「私たちが生きている間に、どのように生きていったらいいか」を説くのが、本来の仏教の教えです [03:11]。
本寿院では、お経の練習をする会や座禅会、写経会など、生きている皆さんの心がホッと大らかになるような活動をたくさん行っています [04:02]。苦しみや悲しみの多いこの世の中を見つめ、どうすれば心が救われるかという智恵を学ぶ場所がお寺なのです [04:12]。
宗派の「格好(形)」にこだわるあまり、「戒名料が高くて困る」といった本質ではない部分で悩んでしまうのは非常に勿体ないことです [05:28]。
曹洞宗の座禅が素晴らしいと思えば座ってみる、法華経や念仏が良いと思えば唱えてみる [07:51]。そうやって色々な経験をしながら、「この教えは素晴らしいな」と感じたものを、ご自身の心の中に宿していくことこそが、本当の仏教の信仰のあり方だと私は考えています [08:12]。
宗派の壁にこだわる必要はまったくありません [08:28]。仏弟子としての第一歩である「生前戒名」について、宗派のことで悩まれている方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽に本寿院までご相談ください [00:21]。
今回の内容はYouTube動画でも詳しくお話ししています。ぜひ合わせてご覧ください。
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