先日、大阪にお住まいの方(お孫さん)から、大変丁寧なお礼のおはがきを頂戴いたしました。
実はこの方、最初にご相談をいただいたときは、お寺や戒名料に対する不満や怒りに近いお気持ちを抱えられていたのです。
今回は、いただいたおはがきをご紹介するとともに、多くの方が疑問に思われている「院号料(いんごうりょう)はなぜ高いのか」「お布施とは何なのか」という仏教の本質的なお話について、ホームページでも共有させていただきます。
まずは、お送りいただいた温かいおはがきをご紹介いたします。

いただいたお手紙(要約)
「先日は急なお願いにもかかわらず、親身に対応していただき本当にありがとうございました。おばあちゃん子だった私は、亡くなった祖母に戒名がないのは忍びないと思い、他のお寺様などに相談したところ、提示された院号料があまりにも高額で『なぜこんなに高いんだ』と最初は不満と憤りばかりが募っていました。
しかし三休住職にご相談し、本寿院様にて『院号(いんごう)』でお戒名をお授けいただき、祖母もきっと大変喜んでくれていると思っております。誠に誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。」
おばあ様への心のこもったご供養のお手伝いができ、また、最後はこうして喜んでいただけて何よりでございます。
そもそもお寺に「戒名料(料金)」というものは存在しない

よく「戒名料はいくらですか?」「院号料が高い」と言われますが、実はどの宗派のお寺であっても、本来「戒名料(料金・代金)」というものは存在しません。
本寿院にお越しになる方でも、封筒の表書きに「戒名料」と書いて持ってこられる方がいらっしゃいますが、お寺にお納めいただくものは、高くても安くても、そのすべてが「お布施(おふせ)」なのです。ここが一般的なサービスや商品の「対価(料金)」とは大きく異なる点です。
お布施を渡す側が「ありがとうございました」と言う意味
通常の買い物であれば、お金を払った側がお客さんであり、お店側が「ありがとうございました」と言いますよね。しかし、お布施の場合は逆です。お布施を包んでお坊さんに渡す側(施主様)が「ありがとうございました」とおっしゃるのです。
「お金を払っているのに、なぜこっちが『ありがとう』と言うの?」と思われるかもしれません。
これこそが、お布施の大原則なのです。お布施とは、商品を買うお金ではなく、「仏様や教えに対して、自ら進んでさせていただくお供え(施し)」だからです。
仏教には「布施なき経は読むな(お布施のないお経は読むな)」という少し誤解されやすい言葉がありますが、これは「お金をくれないならお経を読まない」という意味では決してありません。本質は真逆で、「お坊さんは、お参りされた方が心から『お布施をさせていただきたい』と思えるような、一生懸命な拝み方や、徳高い立ち振る舞いをしなければならない」という、私たち僧侶側への厳しい戒めの言葉なのです。
お布施や院号料は、一体何に使われているのか?
では、皆さんからお預かりした大切なお布施(院号料など)は、一体どこへ行くのでしょうか。もちろん中身が一般に公開されることはありませんが、本来は「お寺の維持管理のため、そして地域や町、社会のために還元されていくもの」です。
お寺は株式会社ではありませんから、「儲かったから利益を山分けしよう」という世界では絶対にありません。

しかし、お寺という建物を維持し、お墓を護り、後世に仏法を繋いでいくためには、どうしても管理費用や運営費用がかかります。そうしなければ、お寺そのものが潰れて無くなってしまうからです。全国のご住職も、みんなの場所であるお寺を必死に守るために、経営という面で大変な苦労をされています。
最高位と言われる「院号」のお布施が一般的に高く設定されているのも、歴史的にお寺を大きく支える(大旦那としての)貢献の意味合いが含まれているからでもあります。
お金がなくて困っている方は、いつでもご相談ください
お寺を維持する重要性は理解しつつも、やはり「どうしても今、経済的に余裕がない」「お寺から提示された金額が払えなくて、大切な家族に戒名を授けてあげられない」と悩まれる方もたくさんいらっしゃいます。
私は、お金がある方は相応のお布施をされれば良いと思いますが、お金がなくて本当に困っている方を見捨てるようなお寺であってはならないと考えています。
本寿院では、どのような事情であってもご供養をあきらめてほしくありません。経済的な理由で終活や葬儀、戒名に悩まれている方は、どうぞお一人で抱え込まずに、いつでも本寿院までご相談ください。このような「勝手な住職」ではございますが、皆さんの心の荷物を少しでも軽くするお役に立てれば、それが私の何よりの喜びです。
今回の内容は、YouTube動画でも私の言葉で直接お話ししています。ぜひ合わせてご覧ください。
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