本寿院に寄せられる戒名相談トップ3
第1位:戒名って要るんでしょうか?
第2位:戒名を自分で付けても良いでしょうか?
第3位:戒名のランクについて
現在(2023年5月)、寄せられる相談のトップ3を挙げてみました。
面白い傾向であると思いますが、今から30年~以上前であれば、
第1位:戒名のランクについて
第2位:戒名を自分で付けても良いでしょうか?
第3位:戒名って要るんでしょうか?
であったと想像します。というのも、その頃は、当院でも戒名を3万円でお授けすることはしておりませんでしたので、統計もございません。
この当時を振り返って考えると、
戒名のない葬式は存在しませんでした。
なぜなら、葬儀式というものは、仏弟子として浄土に導く為のものであります。
生前に授戒が出来なかったかった方は、成仏できないのか?
御仏の慈悲は及ばないのか?
今からでも急いで、仏弟子として戒名を授け、引導を渡し、成仏させるというのが葬儀の意味合いです。
このお話をすると、成仏なんかいらないという声も聞こえてきます。
確かに、天寿を全うした方であれば、必要ないと思うかもしれませんが
例えば、わが子が交通事故や病気で亡くなった場合、
親は、しらない。成仏要らない。と言えるでしょうか?
どうか、わが子を幸せな御仏の世界に、極楽浄土に導いていただきたいと祈る
これが、親として当然ではないでしょうか?
また、菩提寺さんとの絆も深く、遠方であっても菩提寺さんが駆けつけて葬儀を行ってくださったものです。
葬儀は、近所の方が、お手伝いをして自宅で行うのが一般的でありました。
村八分の意味は、葬儀と火事だけは手伝う
俗にいう、「村八分」という言葉も、普段は一切付き合いをしない方であっても、「葬儀」と「火事」は手伝うというものです。
葬儀には、親戚だけでなく、ご近所、会社関係の方々など様々な方々が参列され、参列が多ければ多いほど、立派な方となり、その方の家の格が上がったものです。
同時に〇〇家としての葬儀のために、戒名も立派な戒名が求められていた時期がありました
石原裕次郎や美空ひばりの戒名
石原裕次郎や美空ひばりの戒名は、3千万円とも4千万円とも言われていました。
その時代は、僧侶も脇僧が数名いるような盛大な葬儀が求められていた時代でした。
昔の映画でも「お葬式(伊丹十蔵)」や「社葬(東映)」などでもその様子がみうけられます。
このように、昔の葬儀は、盛大であればあるほど、立派であり、子孫が先祖の為にやる事が素晴らしいとされていました。
私も子供のころに葬儀に伺うと、その戒名を記して帰ったものです。
戒名は、自分で付けたい
今から、20年ほど前 私に寄せられる相談は、戒名ってなぜこんなに高いのでしょうか?
という経済的な相談が非常に多くなってきました。
日本は、バブルが崩壊し、経済の流れが悪くなってきた時期でもあります。
そんなことから、戒名とは何か?経済的な不安より大切なものがある。
それを訴えるために「戒名って高い?安い?(日新報道刊)」という本を出版させていただきました。
この反響は、大きく、様々なメディアで取り上げていただくと共に、NHK学園や読売カルチャーさんから講演依頼が多数寄せられました。
その後「終活ブーム」が到来しました
自分の最期を自分でプロデュースしたいという声も多くなり、自分で戒名を付けようという方も出てきました。
読売新聞の取材にも回答させていただきましたが、戒名も自分流という考え方がブームになってきました
そのころ、2冊目の本となる
戒名を自分で付けても良いですか?という本を出版させていただきました
墓じまいと樹木葬・散骨
終活をされる方は、お墓の事を整理しだします。
お墓を今後どうすればいいか?
検討したところいずれ絶えてしまうのであれば、墓じまいをしようというケースが多くあります。
もっとも、お墓の歴史は昔からあったものではなく、火葬文化と共にございます
通常死亡すれば、すぐに土葬にされていました。
そうでないと、腐敗が進み、感染病などの病気が広まります。
ですから、お亡くなりになった後、すぐに土葬にされます。土葬にする前に、足の骨を折ったり、重石代わりに石を置いたのがお墓の原型です。
地域によっては、土葬する場所は、山の中にあり、簡単には立ち寄ることはなかったため、お参り墓として町中に祈る場所がありました。
日本で火葬が多く行われるようになり、遺骨が骨壺に納められるようになったことから、お墓の選択が出来るようになりました。
〇〇家の墓というのも、大正から昭和ごろから始まったものでございます。
先祖代々守り続けてきた・・・と心配される方も多くありますが、実際のところそんなに古いお墓が少ないというのが現状です。
加えて、お墓は、継承者がいなければ、無縁仏となってしまいます。
昔は、長男が家を継いできた時代ですが、少子高齢化の現代となっては、非常に難しい問題が露呈しているのは言うまでもありません。
公営墓地など、霊園に伺うと、〇〇家のお墓は少なくなり、「絆」「感謝」など書かれたお墓が多くみられます。これは、嫁ぎ先の家であったり、独身の兄弟であったり、みんなで入れるように検討された結果、〇〇家之墓が亡くなってきたものです。
これから、10年20年・・・いや100年後、果たしてそのお墓を誰が管理維持してくれるか?
そこで注目されてきたのが、1900年前半に海への散骨です。
海への自然葬「散骨」
散骨は、お遺骨をパウダー状に細かくして、海へ流す葬送の事です
散骨後、管理もいらず、管理料もかからないので一時期ブームになりました。
映画で取り上げられ、注目をあびましたが、反面、お参りの方は、どこに向かって手を合わせればいいのか?など、全部のお骨を散骨してしまって、後悔されているかたもあります。
最近では、海ではなく山の樹木葬が人気です
お墓の代りに、樹木を建てて、お参りする方法です。
お墓じまいをしたあと、樹木葬に改葬される方も多くなりました。
散骨よりも、手を合わせる場所があると好評です。
都会の霊園や、公営墓地内にも樹木葬が設置されていて、現在のように、お盆とお彼岸という集中した時期ではなく、花の咲くころにお参りなるという形式が増えてきたようです。
しかしながら、「都会のなかでの樹木葬は、高額になりお墓と同じぐらいの費用がかかるのも現状です」
お墓じまいの方は、「お骨仏」がお勧めです
お墓じまいをする場合
受け入れ先を決める必要があります。現在のお墓には、先祖代々5柱(5人)の遺骨があるというのは普通のケースであり、
例えば、樹木葬一人20万円としても×5柱=100万円 と費用がかさんでしまいます。
そこで、注目されるのが、
一心寺の「お骨仏」
一心寺では、1万円~3万円で受け入れをされていました。
その為、多くの方が、一心寺にお持ちになったようです。
その為かどうか?わかりませんが、令和3年より一心寺の受け入れ制限となり、改葬による受け入れが中止されることになりました。一心寺 受け入れ制限
東京本寿院のお骨仏でも多くの方がお墓じまいの遺骨をお持ちになっておられます。現在のところ、制限はございません。
東京本寿院のお骨仏は、1柱3万円ですので、5柱であれば、15万円で済んでしまいます。
これは、都営霊園や散骨よりも経済的に安く、様々なメディアに紹介されています
お墓という考えより、「仏様になる」という考えから生前に申し込まれる方も多くあります。
お骨仏は、全国各地にありますので、そのお寺の考え方や、お近くのお寺に相談なさってください。
そうして、終活を考えるうえで、現在のお墓と共に、自分の入るお墓について整理される事をお勧めします。
そして、今の相談の第1位は「戒名って要るんですか?」
たくさんの相談を承ってまいりましたが、最近は、このような相談が非常に多くなってきました。
この原因は、戒名とは何か?その本質的な事を理解されていない方が多くなってきたと存じます。
「住職、戒名って要るんですか?」
と聞かれたら、次のようにお答えします
はい戒名、必ず要ります。
なぜ戒名が要るのか?要らないのか?っていう風に思われるんでしょうか?と聞くと
「だって戒名代が高いじゃない?」と帰ってきます
じゃあ私が無料で戒名をお授けしますよと返します。
■戒名の意味が分からないというのであれば、一緒に戒名の勉強致しましょう
■あの世が信じられないというのであれば、無宗教で良い。
無宗教には、戒名は要らないです。
あの世を信じない、亡くなったら「無」になるって言うんだったら、戒名要らないです
必要ありません。
でも亡くなったら、仏様のいる極楽、お浄土に生まれたい、そこに往生したい、成仏したい
って考えられるのであれば戒名は必ず要ります
仏弟子になる事なんですね。戒名は文字では無いんです
ご先祖は一体どこに行ってるんでしょうか
無になって何も無いんだっていう風に考えておられるんだったら根本的に戒名も無ければ、位牌も要らないし、そして回忌法要も、命日も要らないし、お盆も要らないです
無宗教にはお盆は要らない
皆さんお盆の時は、どうされますか?
お盆の時には迎え火を焚いてそして亡くなった方をお迎えをしますね。
「お中元」っていうのは、決してあれはお世話になった方にお返しをするのではなくて、お中元っていうのは先祖が帰ってくるから先祖の為にお供えをして下さいっていうのがお中元ですね
そして盆踊りで踊ってこれは、亡くなった霊を慰める一緒に踊る訳ですね
そして「大文字の送り火」あれ決してイルミネーションとかじゃないんですよ
大文字の送り火綺麗だねって言って見るものじゃないんです。
亡くなったご先祖さんがまた還っていかれる「送り火」なんですね
灯篭流しもそうですね。
そうして亡くなった霊を還って頂く。そしてまたお正月にはどうしますか?
お正月にはお歳暮があってそして門松を立てますよね
お正月様はですね
今度は集合霊を迎える訳ですね。だからそういう部分では神仏混合の部分があるんですね
でもそういう風にして私達日本人の根本的な所は、亡くなった方と、我々が一緒に歩ませて
頂いているんだ。だから無ではなくて、仏様の苦しみも、何も無い世界から遊びに来られる
そちらから来られるんだっていう風にそう考える訳です。
キリスト教であれば、お盆をする必要はありません
イスラム教であっでも、お盆する事は無いですよね。
無宗教だったら何もしなくても良いんですよ。無になる訳ですよ。
でも本当にそれで良いですか?自分のお父さん、お母さんおじいちゃん、おばあちゃんとか
もう亡くなったらもう何もしなくても良いよ。お金もかかるし・・・
お金かからない方法がだってあるんですよ、お金を払いたくないから、お金がかかるから
っていう事であれば、私が無料で法要もしますし、無料で戒名もお授けを致します。
いかがですか?でもこれが
もし、我が子3歳とか5歳の我が子が交通事故で亡くなった時に果たしてどうお考えになられるでしょうか?
我が子が亡くなる我が子が亡くなった時に、死んだらおしまいだ何もしなくても良いや
お花もやらないし
お線香も要らないし
初七日も、四十九日も
一周忌も、お盆も
何もやらない
そんな親御さんがおられますか?
どうか、どうか我が子が、苦しみも何も無い
極めて楽な極楽浄土に導いてもらえるように成仏するように、心から祈る訳ですよね。
それが祈りなんですよ
そして祈った時に、ご先祖の仲間入りをしてそしてご先祖の仲間入りをするという事はこれはお陰様と私達が普段の生活の中でお孫さん。みんながおじいちゃんおばあちゃんに手を合わし
そこにお位牌があって戒名があって初めてみんなが
おじいちゃんありがとう!
おばあちゃんありがとう!
こうして私達が命のバトンを受け継いでいきます
これが先祖供養だと私は思います。
だから必ず要ると思います。
ありがとうございました
実際にご主人さんが「戒名いらない」「お墓要らない」と遺言して亡くなった方がおられて、
奥様が、俗名の位牌を作って、これでいいんだろうか?と心配しつつも拝んでいた方が、当院のユーチューブを見て戒名を授かり、もっと早く知っていれば・・・とお礼の手紙をいただきました。
コメント
コメント一覧 (2件)
鎌倉、室町時代は、仏教と葬式は結び付ていなかった。梅原猛著書、養老孟子談、野ざらしの蒔絵、鳥葬なども普通に行われていた。戒名なども葬式が無いのだから、無かった。
江戸時代に、棺桶(丸形桶)が戦いが少なくなり、使用されるようになった。
しがって、現在の葬式仏教になったのは江戸時代からで、お金を葬式で戒名などいただくことになったのはその後の新しい考え方であり、日本古来の神道、土着宗教は土葬で地域で自治的に行っていたものであるらしい。イスラム教でもキリスト教でも土葬が当たり前。土にかえる輪廻思想が根本にあるのでは?
コメントありがとうございました。
その通りかと存じます。その上で、現代の戒名について問題なのは、「戒名」その物でしょうか?
それとも「戒名料」と言われるお金の事でしょうか?
ご承知の通り、当院では戒名はお金に関係なくお授けしております。
貴重なご意見ありがとうございました。合掌