苗字を戒名に入れてほしい
私の母は、山田家に嫁いできて、藤沢家の人間になってきたので、「藤」もしくは「澤」「沢」という文字を戒名に入れてほしい
というご相談がございました。*藤沢は、仮名です。
通常、苗字を戒名につけることはございません。
[char no=”2″ char=”三浦尊明”]お気持ちはわかりますが、それで良いでしょうか?。[/char]
旧姓から、嫁いできて、藤沢家のために一生懸命やってこられた事でしょう。
ですから、嫁ぎ先の苗字を戒名に入れたいというお気持ちもわかります。
しかし、これから先の事を考えると、果たして良いのでしょうか?
戒名は、その方の生き方であったり、お人柄があらわされていきます。
同時に仏典から文字を頂戴して仏弟子となるのです。
一族をあらわす「苗字」個人をあらわす「戒名」
今回、そういう理由でお母様の戒名に藤を付けたとして、今後のお嫁さんは、全部「藤」となってしまいますね。
苗字に愛着がある方が多いでしょうから、戒名にフルネームが使われているケースもありました。
例えば
例)藤雲院澤昭利道居士 藤澤昭利様
戒名にフルネームが使われていたので、疑問に思ってお聞きしますと、生前、自分でお考えになられていたそうです。
自分んで考えたところ、自分の名前をすべて使って・・・
しかし、これでは、おかしい戒名です。
普通のお坊さんであれば、絶対に付ける事のない戒名でしょう
苗字は、その一族をあらわすものではありますが、戒名は一族の物ではございません。
ただし、初代の方に戒名がついている場合も見受けられます。
苗字であったり、屋号であったり、初代で気づいてこられた方にその文字が使われている場合もあるでしょう
しかし、そうであっても、その文字を仏典から探してきて授けています。
あくまで、仏様としての戒名ですので、仏典から授かる事で、どちらの意味もみる事が出来ることでしょう。
補足
藤という文字が、苗字からとってつけたというのであれば、ナンセンスですが、
その方が、藤の花が好きで、藤を育てておられました。
植物の「藤」からとって戒名にするというのであれば、ありえますが、私であれば
紫雲 しうん という風に、藤色の「紫」とし、藤を連想するような文字を使います
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