お寺に53万円お布施をしたんだけれど、返金できますか?
午前2時に、お寺の電話相談がありました。
お話をお聞きすると、
先日、お母さまがお亡くなりになり、菩提寺の和尚様に葬儀をお勤めいただいたそうです。
その時に、悲しみのあまり、何が何かわからずにいて、言われるままにお支払いをしました。
お寺様には、枕経・通夜・葬儀・初七日・戒名と車代と合わせて「53万円」を包んでくださいと言われ、用意しました。
葬儀が終わって、友人に相談したところ、それは高すぎるのではないか?
と助言され、お寺様に計算書をくださいと連絡されたそうです。
お寺様から届いたものは、計算書ではなく 「領収書」 お布施として53万円と書いてあったそうです。
(当然のことながら、お布施に計算書などございません)
その方は、計算書を見て納得がいかない部分は、返金していただきたいとお考えのようでした。
枕経 いくら?
通夜 いくら?
戒名いくら?
葬儀いくら?
初七日いくら?
車代いくら?
まるで、レストランで食事した後、内容をチェックしているようですね。
その上で、他の事例を探してきて、これは高すぎるので返金してほしいと訴える予定だそうです。
その中で、当院は、3万円と明記されていたので、意見を聞きたいと電話されたそうです。
相談された時間から考えると、相当悩んでおられたのか?それとも一杯やっておられたのか?
お寺に対する苦情を吐露されているのです。
お布施とは何か?
確かに当院では、わかりやすいように、戒名3万円 通夜3万円 葬儀5万円など
詳細に目安を明記しております。
当院に相談になる方は、菩提寺のない方ばかりで、右も左もわからない方ばかりです。
初めてのことで、何かをしたりいいのか?
金額を明記することは、誤解もたくさんあります。
昨今、僧侶紹介サービスの会社が、価格競争を行っています。
それも数千円単位での競争になり、こちらが安い?高い?消費税は?など
価格優先のサービスとなってしまいました。
平成25年に「戒名って高い?安い?」という本を出版させていただきましたが、お布施の金額が高い?安い?と問題になるのではなく、
一体何をされたいのか?という事だと思います。
故人の供養をして、祈るという事です。
僧侶ならば、誰でも良いのでしょうか?
戒名料のゆくえ
そして、問題の戒名料について
まず、全国平均ですと、50万円程と調査結果が出ています。
安い人もあれば、高い人もあるなかでの平均50万円です。
今回の53万円というのは、平均ぐらいといっても良いでしょう。
では、その戒名料は何のためのお金でしょうか?
一つのサービス商品 例えばマッサージ
Aさんのマッサージは、1万円でBさんのマッサージは、8千円
1万円の方が上手かな?8千円の方がお得かな?
はたしてマッサージと僧侶の布施を同じにお考えではないでしょうか?
僧侶派遣というサービスであれば、高い?安い?ということぐらいでないと判断材料がないというのも頷けます。
どんなお坊さんが来るのか?会って初めてわかるのです。当りもあれば、外れもあります。
ごめんなさい、外れというのは失礼でした。
しかし、現実 当院には、葬儀の時にお願いしたのだが、仏教の事もわかっていない若い僧侶が来て法話もなく、お経だけあげて帰ってしまった。
取り返しがつかない葬儀だけに、再度、戒名を授かりなおして49日をしっかりとお願いしたいというケースもございました。
菩提寺という関係
次に菩提寺があるか?ないか?という事は大きな問題です。
菩提寺とは、お寺にお墓があり(お寺以外の場合もあります)先祖代々ご供養していただいているお寺の事です。
回忌法要やお盆。お彼岸など、供養していただくお寺の事です。
お布施は、決して住職のお小遣いではありません。
お布施は、すべて、お寺の収入となり、住職は、給料として税金を納めているのです。
お寺の収入で、お寺の管理護持がなされ、檀家さんたち皆さんが気持ちよくお参りできるのです。
お寺は、住職のものではなく、檀家さんたち皆さんのものです。
皆さんが、それぞれお金を出し合って、お寺を護持しているのです。
一人の方が出さなければ、他の檀家さんにしわ寄せが来るのです。
だんだん、地方のお寺は、檀家が少なくなり、お寺を維持できなくなり、伽藍の維持が出来ず、お寺は雨漏りし、住職不在で、お寺が崩壊するのです。
お布施は、住職が決めたものではなく、檀家総代をはじめ、檀家さんたちで出し合っているのです。
おじいちゃんやおばあちゃんの代には解っていた当たり前のことですが、お寺との縁が法事や葬儀しかなくなった現代人にとっては、わからないのも無理がないかもしれません。
この機会に、戒名とは何か?お布施とは?菩提寺とは?
少しお考えいただければ幸いです。
そして、疑問があれば、菩提寺の和尚様に直接相談してみてください。
疑問・疑念がとければ、きっと信頼に代わってくると願っております。合掌
急にお亡くなりになる方など多いことから、24時間体制で電話相談を受付をしております。些細な相談でも構いません。
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