令和元年9月9日 10時30分
台風15号の影響で、交通が混乱し、受講者のキャンセルが相次ぎました。
今回は、お一人の戒名講座でした。
しかし、かえって具体的にその方の事を聞き、アドバイスを出来て良かったです。
戒名の事だけでなく、お墓や菩提寺・終活など悩みが多い方がありますが
少人数の方が良い場合も。
今日は、こんな質問がありました
「どうして本寿院さんは、戒名が一律3万円なのでしょうか?
他では、戒名料というと数十万円 院号などランクによって違ってくるのに・・・」
これも多い質問です。
「まず、戒名料というものはありません。すべてお布施ですね」
何かの商品 例えば洋服には、原材料や素材によって値段が違ってきます。
しかし、戒名には、原価がありません。
いつしか、戒名料という商品になってしまいましたが、決してそうではありませんね。
また、戒名は、平等です。
院号などランク分けによって、あの世で成仏できるとか出来ないとか?
新幹線で例えると院号は、グリーン車で普通車とは違うなどそんな差別をするのは仏教ではありません。
もちろん、なぜそうなったかというと、長い檀家制度という歴史の中で、菩提寺と檀家との関係から積み上げられてきたものです。
菩提寺のある方は、戒名が高いとか安いといった苦情を言われる方はあまりありません。
しかし、都会から上京して、田舎に菩提寺があるが長男が継いでおり、自分たちは次男・三男のために家を出て菩提寺がない。
今までお寺に何も貢献していないけれど、亡くなった時には良い戒名が欲しい。それの対価として戒名料となったのであり、院号を希望しなければ、何も不平も不満もないのです。
一方で、長年の闘病生活で経済的に困っており、お布施が出来ないが、一生懸命やってきたお父さんに先祖に合わせた院号を授けてほしいといった相談も多く寄せられます。
よくあるケースですが、奥様が先に亡くなられ、院号が授かっていたが、今度、息子の代になった時に経済的に難しくなった。
夫婦の戒名ランクがそろわないとお位牌を見るたびに申し訳なくなる。という場合です
当院では、費用の事より供養が先。
もっとも、以前は、「戒名料無料」を公表しておりましたが、無料はかえって困られます。
何かお布施をしなければならないとか・・・
ですから、一つの目安として3万円としたのであり、それ以上の布施をお預かりする場合や軽井沢の土地を寄付してくださったり様ざまあります。
お寺というのは、皆さんの協力で成り立っているものであり、皆さんのお寺であります。
お布施は、住職が一杯飲むためのものではなく、お参りの方がいつでも安心して手を合わせられる場所。
皆さんの為に使われていくものです。
戒名のお布施が高いからとか安いからと言ってお寺を選ぶのではなく、
何がしたいのか?戒名を授かってどうしたいのか?
没後の場合であれば、故人の成仏を願う事ですね。「供養ですね」
生前であれば、仏弟子としての「安心」ではないでしょうか?
もう一つ質問がありました。
「住職から生前戒名を授かって、それでおしまいでしょうか?何か行事やお参りに参加するなどありますか?」
当院は、毎日どなたでもお参りいただけます。
また、つちぼとけや巡礼・尼カフェなど様々な行事があります。ご希望の方はどうぞご参加ください。
加えて、私は、NPO法人かけこみ相談センターとして「人生・仏事の相談」を行っております。
生前戒名を授かった方が、ボランティアで相談員としてお手伝いしてくださっています
そうして、仏弟子として何か社会のために協力してくださることも良いと思います。
強制することは一切ございませんが、死んでからではなく、生きているうちに仏弟子として新しい生き方も良いのではないでしょうか?
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