先日、お母様を亡くされた相談者様から、このような切実なご質問をいただきました。
「先日亡くなった母の戒名が、一番位(ランク)の低い名前でした。母はあの世で肩身の狭い思いをしているのでしょうか? 本当に成仏できたのでしょうか……?」
結論から申し上げますと、どうぞ安心してください。戒名の位(ランク)によって成仏できる・できないが変わることは絶対にありません。
今回は、「あの世での戒名の平等さ」と「残されたご家族の心の葛藤」、そして本寿院が大切にしている「感謝で手を合わせられる仏壇のあり方」について、ホームページでも共有させていただきます。
戒名は本来「全員一律で2文字」の平等なもの
「戒名のランク」と言われると、どうしても高級・低級のように感じてしまうかもしれません。しかし、仏教における本来の「お戒名」とは、どんな方であっても全員一律で「2文字」だけです。
「信士・信女」「居士・大姉」といった後ろに付く文字(位号)は、年齢や性別、地域社会での関わりなどを表す意味合いのものであり、仏様の世界における名前そのものの優劣ではありません。
- あの世で肩身の狭い思いをすることは一切ありません。
- 位が低いからといって、成仏できないということも一切ありません。
仏様の世界は完全な平等であり、お戒名の文字数や種類によって差別されるようなことは一切ありませんので、どうぞご安心ください。

「仏様の世界は平等」でも、「残された人の心」は割り切れない
仏様の世界では平等であるとお伝えしても、この俗世で生きる私たち残された遺族の心には、どうしても葛藤や引っかかりが残ってしまうことがあります。
以前、私のもとに来られたある娘様のお話です。
先代から続く手広い事業を営んでいたお父様が亡くなられた際、バブル崩壊や事業の失敗で大変な経済的苦労がありました。 先祖代々のお墓や過去帳には立派な「院号居士」が並んでいるにもかかわらず、お母様は「お父ちゃん、ごめんね。今はお金がないから……」と、一番下の「信士」というお戒名でお葬式を出されたそうです。
それ以来、お母様は毎朝仏壇の扉を開けるたびに、 「お父ちゃんごめんね、不甲斐ない私でごめんね。先祖みんな立派な戒名なのに、あなただけこんな戒名にしてしまって申し訳ない……」 と、涙ながらに謝ることから一日が始まっていたそうです。
「あの世では平等だから気にしなくていい」と頭では分かっていても、毎朝お仏壇の前で罪悪感に苛まれ、「ごめんね」と手を合わせ続けるお母様の姿を見るのは、本当に心苦しいものです。
「ごめんね」から「ありがとう」へ変わる仏壇の祈り
このご相談を受け、本寿院ではご家族のご事情に寄り添い、ご先祖様とバランスを合わせたお戒名(院号)への追贈(授与し直し)をお手伝いさせていただきました。
後日、娘様から「お母さんが毎朝ニコニコしながら『お父ちゃん、今日も見守ってね』とウキウキしてお仏壇を開けるようになりました」とお聞きし、私も本当にホッといたしました。
お仏壇とは本来、「ごめんね」と謝る場所ではなく、「お父ちゃん、今日もありがとう」と感謝を伝える場所であるべきです。
もし、お金や形式のことで心が締め付けられ、素直に手を合わせられないのであれば、それは仏教の本意ではありません。本寿院では、お布施の目安(3万円)を設けておりますが、経済的にお困りの方や様々なご事情を抱えた方のご相談にも柔軟に応じております。
最後に
私たちは、亡くなった方が家族にとっての「邪魔者」として忘れ去られるのではなく、「仏様となって、残された家族をいつでも、いつまでも優しく見守ってくれる存在」になるのだと考えています。
戒名のランクや位のことで一人で悩んだり、自分を責めたりする必要はありません。ご家族みんなが心からホッと安心し、笑顔で「ありがとう」と手を合わせられるよう、私どもが心を込めてお手伝いさせていただきます。どうぞお気軽に本寿院までご相談ください。
今回の内容はYouTube動画でも、私の言葉で詳しくお話ししています。ぜひ合わせてご覧ください。
▼ 動画はこちらからご視聴いただけます http://www.youtube.com/watch?v=-c-FbeUIDuQ

