菩提寺との関係と、お墓が決まっていない方の戒名のあり方
先日、相談者様からこのような切実なご質問をいただきました。
「お寺と戒名のことで揉めたくないので、三休住職から内緒で戒名をつけてもらうことはできませんか?」
結論からお伝えしますと、大変心苦しいのですが、「菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)がある方には、私どもから内緒でお戒名をお授けすることはできません」。
今回は、なぜお寺に内緒で戒名をつけてはいけないのか、仏弟子としての本来の意味、そして最近増えている「墓じまい」やお墓選びと戒名の関係について、ホームページでも詳しく共有させていただきます。
なぜ菩提寺に内緒で戒名をつけてはいけないのか?
仏教において、戒名を授かるということは、単に「死後の名前をもらう」ということではありません。それは「師匠と弟子の関係を結ぶ」という非常に重い意味を持っています。
菩提寺がある方にとって、そのお寺の住職(お尚様)が、あなたやご先祖様を導く「師匠」となります。
もし、菩提寺に内緒で他のお寺からお戒名を授かって葬儀や納骨を行おうとすると、菩提寺の住職から、
「うちの檀家ではない、他で勝手につけてきた戒名での納骨は受け入れられません。法要も執り行いません」
と断られてしまい、大きなトラブルに発展してしまうのです。
ですから、これからもそのお寺と檀家としてお付き合いを続けていかれるのであれば、お戒名のことは必ずその菩提寺の住職にご相談いただくのが絶対のルールとなります。

「墓じまい」をする、あるいは菩提寺がない場合は?
一方で、近年は「お墓の管理ができない」「少子化で継承者がいない」といった理由から、生前のうちに「墓じまい」をされる方が非常に増えています。地方のお墓が草だらけになり維持できなくなっていく現実は、現代の社会において仕方のない部分もあるでしょう。
もし、以下のような状況であれば、本寿院からお戒名を授かることに何の問題もございません。
- すでに墓じまいを完了している
- お寺の檀家になっていない(菩提寺がない)
- 宗派を問わない「公営墓地」や「樹木葬」「合祀墓」などを利用する予定である
こうしたお墓の制約がない環境であれば、どうぞ安心して本寿院までご相談ください。

葬儀社からのアドバイス「お墓が決まってからでないと、戒名はつけられない」は本当?
以前、別の相談者様からこのようなお話をお伺いしました。
「お墓が決まっていないなら、先に他から戒名を授かるのはお寺に対して失礼にあたります。お墓が決まるまでは戒名なしの『俗名』で葬儀をされてはいかがですか?と葬儀社さんに言われました」
私は、これを聞いて「そんな馬鹿な話はありません!」とお答えしました。
「納骨先がまだ決まっていないから、とりあえず俗名で葬儀を済ませる」というのは本末転倒です。
お戒名とは、お墓に眠るための記号ではありません。そこには「大切な故人様への祈りと供養」が込められています。 お戒名を授かり、心を込めてご供養(一回忌や三回忌など)を重ねていくことこそが、亡くなった方への感謝を伝え、功徳を積んでいく(積徳)ということです。お墓という「物理的な場所」が決まっていないからといって、仏弟子としての名前を持たずに旅立たせる必要はまったくありません。
お墓がこれから決まるという段階であっても、お墓がない方であっても、何ら心配する必要はありません。ぜひお気軽に本寿院にご相談ください。
最後に
私たちは、亡くなった方の遺骨や存在が「邪魔者」として扱われるのではなく、「仏様となって、残された家族をいつまでも優しく見守ってくれる存在」になるのだと考えています。
死後も自分が仏様として誰かの役に立ち、残された方々が安心して手を合わせられる心の拠り所を作る。それがお戒名、そしてご供養の本来の目的です。
お寺との関係や、お墓が決まっていなくて終活に悩まれている方がいらっしゃいましたら、どうぞ一人で抱え込まずに本寿院までご連絡ください。
今回の内容はYouTube動画でも詳しくお話ししています。ぜひ合わせてご覧ください。

