こんにちは。本寿院住職の三休です。実家の菩提寺とは長年疎遠で、ほとんどお付き合いがない。亡くなったお父様の戒名を、本寿院で授かってもよいでしょうか。そのようなご相談がありました。
今回、私はそのお申し込みをお受けしませんでした。大切なのは、ご本人がお寺と疎遠に感じているかどうかだけではなく、お父様をどこに納骨するのか、菩提寺との関係がどうなっているのかということです。
最初に確認したいのは、どこに納骨するか
今回のご相談では、本寿院で戒名を授かり、納骨は故郷のお寺で行いたいというお考えでした。私は、納骨をお願いするお寺から戒名を授かってくださいとお伝えしました。
本寿院では、菩提寺のある方への戒名授与はお受けしていません。菩提寺のお墓に納骨する予定であれば、戒名だけを別のお寺で決める前に、まずそのお寺のご住職に相談することが大切です。
ご家族が知らないところで、お付き合いが続いていたかもしれません
相談された方は、実家のお寺とはほとんど付き合いがないと感じておられました。しかし、たとえばお父様がお墓を継いでいたのであれば、お父様ご自身がお寺とのやり取りを続けていた可能性もあります。
護持会費やお布施、お墓の管理料などについて、子どもには詳しく伝わっていなかったのかもしれません。動画でもお話ししましたが、これはあくまで私の推測です。実際のお付き合いや納付の状況は、菩提寺に確かめる必要があります。
また、転居などによって、お寺から連絡が取れなくなっていた可能性もあります。長く連絡を取っていないということだけで、どのような関係にあるのかを決めてしまわず、一度お話を伺ってみてください。
戒名だけでなく、納骨とその後の法要まで考える
戒名を授かることと、納骨やその後の供養は、つながっています。納骨の段階になって初めて別のお寺で戒名を授かったと伝えると、なぜ事前に相談しなかったのかと、行き違いになることもあります。
私は、菩提寺での納骨や、その後の法要に支障が生じないように、先に相談していただきたいとお話ししています。戒名だけを切り離して考えるのではなく、どこで、どのように供養を続けるのかも含めて、ご住職にお尋ねください。
お布施は、お寺と檀家の皆さんを支えるもの
動画では、お寺を支えるお布施についてもお話ししました。私は、戒名のお布施を、単に僧侶個人への代金として捉えていただきたくないと思っています。
お寺は、檀家の皆さんのお布施やご協力によって支えられています。お布施が、お寺の維持や管理につながり、そのお寺でお参りし、供養する皆さんのためになる。そのようなつながりがあると、私は考えています。
お寺を住職だけのものと見るのではなく、檀家の皆さんが支える祈りの場として考えることも大切です。菩提寺との関係やお布施について分からないことがあれば、そのお寺に説明を伺ってください。
長く疎遠だった方も、まず菩提寺へご相談を
長く連絡していなかった場合には、納骨の予定に加え、これまでの護持会費やお墓の管理など、確認が必要になることもあります。何がどうなっているか分からないまま進めず、現在の状況をお寺と一つずつ確かめてください。
今回お伝えしたかったのは、菩提寺があるかどうかによって、戒名のご相談の進め方が大きく変わるということです。疎遠だと感じておられる場合も、まず納骨先とお寺との関係を確認し、菩提寺のご住職に相談なさってください。
院号やご先祖の戒名を考える際の菩提寺との関係については、「先祖と違う戒名でもよいのでしょうか」の記事でもお話ししています。本寿院のご案内は、戒名のページをご覧ください。
動画でご覧になる方へ
今回のご相談と、本寿院がお申し込みをお受けしなかった理由を、こちらの動画でお話ししています。
本記事は、本寿院住職・三休の動画「実家の菩提寺とは長年に渡って疎遠。本寿院様で戒名を授かってもいいでしょうか?」をもとに再構成しています。ご相談内容は趣旨を要約してご紹介しました。

