熊本で葬儀式
令和3年6月22日 久しぶりに熊本別院に伺いました。
昨年は、毎月のように伺っておりましたが、緊急事態宣言発令中でしたので、のびのびの延期となっておりました。
*三浦住職は、主には東京におりますが、かわって、5月より、熊本別院 院主が在住しております。
ですから、お参りも相談もいつでもどうぞ。
葬儀は、地方によってやり方が違う
さて、熊本につくなり、葬儀の連絡がはいってきました。
もともと、熊本には浄土真宗の方が多く、我々の葬儀自体少ないのが現状です。
熊本にて、法事は多くありますが、葬儀は初めてです。
葬儀は、習俗性が強く、地域によってやり方が違ってきます。
私も、全国で葬儀を行わせていただいておりますが、面白いところです、
「北海道の葬儀」では、新しい足袋とスリッパがもらえ、新しい足袋で厳修する
「宮城県の葬儀」では、葬儀と共に、49日法要まで行う
「茨城県の葬儀」では、葬儀の後ですぐにお墓に埋葬する
「長野県の葬儀」では、火葬してから葬儀が始まる
など、すべてがそうではありませんが、それぞれの地域性がございます。
そうして培われてきた葬送の文化といってもよいでしょう
精進落とし
関西の葬儀では、通夜の料理は、もちろん精進です。
基本的には、49日迄は喪に服し、生ものを食べることを避け、精進落としとして豪華料理がふるまわれます。
しかし、関東では、通夜の席から寿司や刺身といった豪華料理がふるまわれます。
最初抵抗のあった私も、今では、普通になってしまいました。不思議なものです。
*精進落としとは、ウィキペディアより紹介
精進落とし(しょうじんおとし)とは、寺社巡礼・祭礼・神事など、精進潔斎が必要な行事が終わった後に、肉・酒の摂取や異性との交わりを再開したり、親類に不幸があって通常の食事を断って精進料理を摂っていた人が、四十九日の忌明けに精進料理から通常の食事に戻すことなどを言う。お斎(おとき、おとぎ)、精進明け、精進上げ、精進落ちとも言う。
かつての伊勢巡礼では、お蔭参りで伊勢に向かう道中で身を謹んでいた巡礼者が、外宮・内宮の参拝後に精進落としをするため遊廓に繰り出したため、古市という大きな遊郭が外宮と内宮に間に栄えた。
現代における「精進落とし」の用法は、初七日法要(本来は死後7日目に行うものだが、現代ではほとんどの地域で火葬場から戻った後に行う)の際に、僧侶や世話役などの労をねぎらう宴席において食事が行われることが多いが、この食事を「精進落とし」と称することが一般的となっている。
葬儀式場と火葬場が一体化されている施設(特に市営火葬場にこのような形式が多い)や、火葬場に隣接した葬儀式場においては、火葬の完了を待つ間にこの精進落としを行う事がある。火葬時間は炉の性能などに左右されるものの、通常1時間から1時間半ほどで終わるのでその間に済ませる形である。
だんだんと、スピード化になってきたもんですね。
熊本の葬儀方法
さて、熊本の葬儀はどうでしょうか?
ほとんど、東京と変わりがありません。
ただ、多くの場合、火葬場まで僧侶はいかないそうです。
昔は、葬列を作って荼毘にふしたものですが、僧侶の都合か?社会性なのか?そうらしいです。
もっとも、現実問題は、僧侶が火葬場に行っても見守るだけで、何もできない(法要の場所もない)場合が多くあります。
通夜の法話
通夜の法話は、実はとても大切です。そして僧侶として一番活躍できる場所です。
「ありがたいお経が聞けました。」といわれるよりも、「有難いお話でした」といわれるのが一番の誉であると考えております。
悲しみの遺族の心に寄り添い、命を見つめ、ご縁を喜び、感謝する。
「今までありがとうございました。」と心を込めて行う葬儀が一番素晴らしいと考えます。
*もっとも、葬儀は法話ばかりでなく、授戒・仏弟子として引導する作法も大切です
エンバーミングの葬儀
葬儀が終わって、出棺です。
こちらでは、エンバーミングされていますので、とてもきれいな寝顔をされています。
エンバーミングという技術によって、死体の衛生保存・修復がなされます。
長年の闘病生活で、やせ細り、苦しみの表情でなくなっている方も多くあります。
遺族としては、つらいものがございます。多くの場合は、白いハンカチのようなものがかけられています。
しかし、エンバーミングを施すと、まるで寝ているかのような姿で最期のお別れです
ちなみに、私の父は、45日後に葬儀行ったという、日本で一番長く死んだ人になっています。
45日後に生前の姿のまま、最後のお別れが出来たことはとても良かったと考えております。
皆さんと共に、棺に花を手向けて・・・・ありがとうございました。合掌
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