北区立滝野川文化センターで投扇興

東京都北区の依頼で投扇興を体験いたしました。
令和6年6月29日 懐かしい場所にやってまいりました。

私が、大正大学時代ですから今から35年ほど前 滝野川のアパートに住んでおりました。チンチン電車(路面電車)がかわいく、かつ生活の足として大塚や王子に繰り出しておりました。

今回こちらからの依頼は、初めての開催となります。

それも、一般の方からやって欲しいと連絡があったそうで、区民の方に募集したところ「これを待っていました」と喜びの声もあったとか。募集後、すぐに定員が埋まってしまい、定員オーバーになりました。

大変うれしいことでございます。

北区投扇興

NPO法人 日本投扇興保存振興会

私の父の代で行っておりました日本投扇興保存振興会は、私の代になり「NPO法人」となりました。非営利活動法人として、小学校や公民館 海外迄出向いて、日本の伝統遊戯を広め、伝えていく活動を行っております。詳しくは、日本投扇興保存振興会のホームページをご覧ください。

13時30分 始まりました。みなさん、見た事や聞いたことはあっても体験は初めての方ばかりです
投扇興の歴史や日本文化の意味についてお話しさせていただきました。

投扇興は、大河ドラマ「光る君へ」で登場する「投壺」という貴族の遊びから発展したものです。
庶民が楽しみ、お金をかけて遊ぶ、一種のギャンブルとして流行しました。
その為、「投扇興禁止令」と法令がだされ、公に投扇興がされる事はありませんでした。

しかしながら、宮中やお寺、お茶屋さんでの芸子さん遊びなどでは内緒で楽しまれていました。
投扇興=芸子さんたちの夜の遊び というイメージがあるのはこのせいでしょうか?

まずは、デモンストレーションと共に、投扇興のルール説明です。

投扇興のいいところは、老若男女に関係なく、加えて国籍も関係ないところです。
日本「和風ダーツ」といっても良いでしょう。

投扇興の落ち方に点数が付くから面白い

扇子の落ち方に点数があります。またその落ち方によって、百人一首の和歌があてられています。
しかしながら、初めての方は、点数の事より、扇を前に飛ばす事で精一杯。
的を当てようとすることで夢中になります。なかなか当たりません

秋篠宮殿下も体験された投扇興

秋篠宮殿下も投扇興を幼少期に体験され、なかなか当たらずに周りの者が困ったというエピソードもあります。

今回は、初めての方ばかりでしたので、公式の距離ではなく、少し短い距離での競技となりました。
その為、よく当たるのです。みなさん、夢中になって高得点の方は30点越えするなど、白熱した対戦となりました。

まずは、5投を体験・練習していただきます。その後、本番です。
本番では、対戦形式をとっておりますが、時間の関係上 高得点の上位4名の方で準決勝
そして、決勝戦へと進めていきます

決勝戦では、貴族のような「うちぎ」を羽織っていただきます。(希望者のみですが、男性にも好評です)

皆さんが見守り、そして高得点が出れば、拍手喝さい 百人一首の和歌を皆さんでうたいます。
参加していた子供たちも小学校で習った和歌なのでよく知っています。

「久方の~光のどけき春の日に~」

今回の決勝戦は、大接戦でした。4投目で優勢だった方も、対戦者が「山桜」の高得点を出され、逆転。

そのまま、終了かとおもわれた最終5投目で見事「散花」をだされ、逆転優勝となりました。

優勝者は、男性の方でした。記念に投扇興の本をプレゼントさせていただきました。

指導している私も楽しいひと時でした。ありがとうございました。合掌

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