授戒会(じゅかいえ)開催のお知らせ
本寿院にて、本堂で「戒律」を授かる尊い儀式である授戒会(じゅかいえ)を執り行います。
当院から戒名を授かった方、そしてご縁のあるご遺族・関係者の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
【開催概要】
- 日時: 7月4日(土)13時30分
- 場所: 本寿院 本堂(東京都大田区南馬込1-16-2)
- 対象: 当院から戒名を授かった方、並びにそのご遺族・関係者の皆様
授戒会(じゅかいえ)とは?生前戒名の本当の意味
数か月前、あるご夫婦に生前戒名をお授けさせていただきました。皆様は「戒名」と聞いて、どのようなものを想像されるでしょうか?
戒名とは、単なる「改名」ではありません。決して、ただ名前を付けるだけのものではないのです。読んで字のごとく、「戒律」を授かり、それを仏様の前で誓うことを意味します。その誓いを立ててはじめて、正式な仏弟子となることができます。
本来であれば、このように生前に御仏と結縁(けちえん)し、戒名を授かり、仏弟子として歩むための教えです。 しかし現代では、「生前に戒名を授かっていなかったので、これでは救われない」と、亡くなった後に慌てて戒名を授かることが一般化してしまいました。
本当は、生前に授かるべき尊いものです。第一、死んでからではその教えを理解することはできませんね。授戒会とは、その大切な戒律を授かるための儀式なのです。
授戒会での主な儀式と教え
授戒会では、大きく分けて「説戒」「剃髪」「五戒誓願」という流れで儀式が進みます。

1. 説戒(せっかい)〜五つの戒律について〜
授戒会に先立ち、まずは戒律の意義についてお話しする「説戒」を行います。私たちが守るべき5つの戒律(五戒)は以下の通りです。
- 不殺生戒(ふせっしょうかい):殺すなかれ 人だけでなく、お魚や牛、虫や花、草やお米など、すべてに命が宿っています。私たちはこの命を頂かなければ生きていくことが出来ません。まさに「命の布施」を受けて生かされている存在であることを自覚し、命を大切にして生きていきましょうという誓いです。
- 不偸盗戒(ふちゅうとうかい):盗むなかれ
- 不妄語戒(ふもうごかい):うそをつくなかれ
- 不邪淫戒(ふじゃいんかい):みだらな異性行為をするなかれ
- 不飲酒戒(ふおんじゅかい):お酒を飲むなかれ
「お酒を飲むなと言われても、主人は毎晩の晩酌が欠かせないのですが…」 そんなご相談を受けることがあります。これは困りましたね……でも、大丈夫です。実は住職も「のん兵衛」ですから(笑)。
この戒律は「一滴も飲んではいけない」と縛るものではありません。お酒を飲んだことによって心を乱し、ケンカをしたり嘘をついてしまったりすることを戒めるものです。常に平安な心を維持することが大切である、という教えなのです。

2. 剃髪(ていはつ)〜僧侶としての自覚〜
剃髪とは、頭を丸めることを言います。
私が修行に出た時は、もちろんツルツルに剃り上げました。しかし現代の授戒会では、剃刀(かみそり)を頭に当てる作法のみで、実際には剃りません。(中には自ら剃ってこられる方もいらっしゃいますが、それは個人の自由です)。
ところで、なぜお坊さんは頭を丸めるのでしょうか? これには実用的な理由と、精神的な理由があります。
- 常に清潔を保ち、シラミなどに悩まされないため。
- 髪型(身なり)を気にして、修行への専念が妨げられないようにするため。
確かに、寝ぐせを付けたまま法要に出るわけにはいきませんね。 そして何より、「僧侶であるという自覚」を持つためだと考えます。頭を丸めることによって自覚が生まれ、自然と背筋が伸びてくるから不思議なものです。
(※アイキャッチ画像に設定している「坊主かつら」はお遊びです。一度、丸坊主になった気分を味わっていただくためのご愛嬌ということで……笑)
3. 五戒誓願(ごかいせいがん)〜仏様との約束〜
いよいよ儀式のクライマックスです。戒師(かいし)から、皆様へ問いかけが行われます。
「不殺生は禁戒なり、よく保つや否や?」 (これから未来永劫、不殺生を心がけ、命を大切にすることを守れますか?)
これに対し、仏様の前でこう答えます。 「よく保つ(たもつ)」
同じように、5つの戒律すべてについて「守れますか?」と問われ、「よく保つ」と誓いを立てます。これが仏様との大切なお約束です。

失敗してもやり直せる、仏様の温かいお心
「七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)」というお経の中に、「諸悪莫作 修善奉行(しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう)」という言葉があります。意味は「悪いことをするな、良いことをしていこう」というものです。
もしこれが単なる道徳であれば、「良いことをしましょう。悪いことをしたら罰がありますよ」で終わってしまうでしょう。しかし、仏教は違います。
人は誰しも失敗をします。悪いこともしてしまいますし、嘘もつくし、お酒を飲んで乱れることだってあります。
「捨戒の説法」という言い方もしますが、何度失敗したっていいのです。 失敗したら「ごめんなさい」と懺悔(さんげ)して、また仏様に誓いを立て、授戒すればいいのです。
そうして何度も自分の心を修正しながら、人生を一歩一歩、正しい道に向かって歩んでいく。それこそが、仏様の本当のお心ではないでしょうか。
皆様と授戒会でお会いし、共に仏弟子としての歩みを進められますことを心より楽しみにしております。ご参加をお待ちしております。
ご参加希望の方は、LINEもしくは、フォームよりお知らせください。



