菩提寺との関係について
菩提寺との関係で悩まれている方が多くいらっしゃいます。特に、戒名のお布施の金額と、その後の関係性について、ご不安に思われている方も少なくないでしょう。
今回は、東北地方から寄せられた、戒名のお布施が安かったために兄弟の戒名がランクダウンしてしまったというご相談をきっかけに、戒名とのお布施の関係性、そして菩提寺との別れ方について、僧侶の視点から解説していきます。
菩提寺について
菩提寺とは、一般的に、先祖代々のお墓があり、家族が亡くなった際に葬儀や法事を依頼するお寺のことを指します。いわば、その家と深い歴史的なつながりを持つ「家の寺」のようなものです。
菩提寺を持つメリット
- 葬儀や法事の手配がスムーズ: 菩提寺があれば、葬儀や法事の手配をスムーズに行うことができます。
- お墓の管理: お墓の清掃や管理を菩提寺に依頼できます。
- 仏教に関する相談: 仏教に関する疑問や人生の悩みを相談することができます。
- 地域のコミュニティ: 地域のコミュニティの一員として、様々な行事に参加できます。
菩提寺との関係性
菩提寺との関係性は、時代とともに変化しています。昔は、菩提寺は地域社会の中心的な存在であり、檀家も菩提寺に深く依存していました。しかし、現代では、核家族化や宗教観の変化などにより、菩提寺との関係性が希薄になっているケースも少なくありません。
戒名のお布施とランクについて
「戒名のお布施が安かったので、戒名がランクダウンしてしまった」というご相談は、決して珍しいものではありません。しかし、戒名にランクがあること、そしてお布施の金額と戒名のランクが結びつくことについて、疑問に思う方も多いでしょう。
戒名とは、仏教に帰依した者に与えられる仏弟子としての名前です。
本来、戒名は僧侶が故人の生前の行いや人格を考慮して授けるものであり、お布施の金額によって決まるものではありません。
しかし、現実には、お寺によっては、お布施の金額によって戒名のランクが異なるところもあるようです。これは、お寺側の事情や地域によって異なるため、一概に否定することはできません。
また、お寺や地域への貢献度(お布施の金額)によってランク分けされる場合もあります。
戒名のお布施が出来ないから、ランクが下がった場合とお寺のために経済的な財施を行い、多額のお布施がお寺を支え、ひいては社会や地域・ほかのお参りの方のためにお寺が整備され、きれいで、気持ちよくお参りできる。
その懇志のお礼としてランクの高い戒名をお授けした場合。
戒名を誰にどのように授けようと、だれも傷つくこともないでしょう。しかし、良い戒名をもらった方は、お寺の為、社会のために貢献したことを自慢に思う事でしょう。
どちらが良いのでしょうか?戒名=お布施という考えではなくなってきます。
菩提寺との関係性と墓じまい
菩提寺との関係は、長い歴史の中で築かれてきたものです。しかし、時代の変化とともに、菩提寺との関係を見直さなければならない状況に直面することもあります。
特に、少子化や核家族化が進み、墓じまいを検討される方が増えています。墓じまいは、単にお墓をなくすだけでなく、菩提寺との関係を断ち切ることを意味する場合もあります。
菩提寺との別れ方は、決して簡単なことではありません。特に、先祖代々からの付き合いがある場合や、地域とのつながりが深い場合は、様々な感情が渦巻くことでしょう。
しかし、現代社会においては、菩提寺との関係を見直すことが、必要なケースも出てきている事でしょう。
僧侶のホンネ
僧侶の立場から言わせていただければ、戒名のお布施は、決して商品に対する対価ではありません。それは、お寺への貢献、そして故人の冥福を祈るためのものです。
菩提寺であれば、檀家としての務めが、お寺を支えることが大切です。しかし、お寺もまた、時代の変化の中で様々な課題を抱えています。
お寺であっても、お金がなければ、電気代も修繕費も捻出できず、いずれは、寺が滅んでいくしかありません。全国の住職は、お寺を守り続けて行こうと、必死の努力をされておられます。
戒名のまとめ
- 戒名のお布施は、決して商品に対する対価ではありません。
- 戒名にランクがあること、そしてお布施の金額と戒名のランクが結びつくことについて、疑問に思う方も多いでしょう。しかし、なぜ?そうなったのか、この機会にお考えいただければ幸いです。
- 菩提寺との関係は、長い歴史の中で築かれてきたものです。
- 時代の変化とともに、菩提寺との関係を見直さなければならない状況に直面することもあります。
- 菩提寺との別れ方は、決して簡単なことではありません。良い関係がよりよい生活に代わっていきます。
- ご自身の状況や考えに合わせて、最適な決断をしてください。
よくある質問
- 戒名にランクがあるのはなぜですか?
戒名は基本 二文字です。しかしながら、院号や居士といったようにランクがあるとされています。
戒名は、お金で買うものではなく、お寺や社会のために財施を施した方へのお礼の気持ちが戒名のランクであると言っても過言ではありません - 戒名のお布施はいくら包めば良いですか?
戒名には、通常相場がございます。菩提寺のお寺様に直接相談なさってみて下さい。
なを、当院では3万円・5万円・10万円の目安を建てております - 菩提寺を継ぐ人がいない場合、どうすれば良いですか?
いずれ、墓が継承できないのであれば、今のうちに墓じまいをおすすめします。そのうちにそのうちにと、いよいよになって困るケースもございます。早めにお寺様とご相談になるのが良いでしょう - 墓じまい後、お骨はどこに置くことができますか?
墓じまいの事を改葬といいます。改葬は、次の納骨先を指定する必要があります。
ですから、悩むことはないと存じますが、中にはご自宅や海への散骨をされる方も少なくありません。
身近な場所で安置供養なっさっても問題ございません。
ただ、お墓から取り出したご遺骨は、長年の風雨の為、菌が多くございます。健康被害を考えて安置されることが大切です
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