安倍晋三元首相の戒名について
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
安倍晋三 衆議院議員(当選10回 在職29年)
内閣総理大臣・自由民主党総裁、内閣官房長官、党幹事長等
享年:67歳
死去日:令和4年7月8日(金)
戒名:紫雲院殿 政譽 清浄 晋寿 大居士
(しうんいんでん せいよ しょうじょう しんじゅ だいこじ)
この戒名は、本寿院でお授けしたものではございませんが、戒名に関して、勝手に解説させていただきます。
位階は従一位。
勲等は大勲位。
内閣総理大臣、内閣官房長官、内閣官房副長官、衆議院議員、自由民主党総裁、自由民主党幹事長、自由民主党幹事長代理、清和政策研究会会長を歴任
出生地: 東京都 新宿区
生年月日: 1954年9月21日
暗殺: 2022年7月8日, 奈良県 橿原市 奈良県立医科大学附属病院
配偶者: 安倍昭恵 (1987年 – 2022年)
火葬: 2022年7月12日, 東京都 東京 東京博善 桐ヶ谷斎場
政党: 自由民主党
両親: 安倍晋太郎、 安倍洋子
故安倍晋三元総裁の一周忌法要に伴い、一般献花をお受けすることとなりましたのでお知らせいたします。
○日 時:7月8日(土)13時~16時
○場 所:増上寺 大殿前(東京都港区芝公園4-7-35)
○主 催:自由民主党、清和政策研究会、安倍家
生花以外の供物(香典、酒、手紙など)はお受けしかねますので、予めご了承ください。
敷地内にお車の乗り入れはできませんので、公共交通機関をご利用の上ご来場ください。
手荷物検査にご協力をお願いいたします。
上記の時間より早くお越しいただいても、お待ちいただく場所がございません。
多くの方にお越しいただいた場合、長時間お並びいただくことが想定されますので、飲料をお持ちいただくなど熱中症対策をお願いいたします。
(自民党サイトより転載)
宗派は、浄土宗
葬儀は、浄土宗の大本山「増上寺」にて執り行われました。
山口の安倍家は、浄土宗であるとの事を聞いておりますので、「浄土宗」として葬儀を行われたことと存じます。
また、戒名を拝見すると 「政譽」と誉号がございますので、浄土宗の特徴として「誉」を授かります。
浄土宗では、教えを伝える法会「五重相伝」を受けた人にのみ与えられる「誉号」が加わる
浄土宗の第五祖である「定慧上人」が仏蓮社良誉と称したのに始るといわれています。
現在では、僧侶以外の在家の男女に対しても誉号は授与され、五重相伝を授けられた者が称することのできる栄誉の称となり,念仏者は最もすぐれた人であるという意味になります。
(誉は、浄土宗の特徴ですが、浄土宗のみではありません)
念仏信者であることをあらわす、譽という字と、政治家として、日本のために邁進してこられた事から
「政譽」とされたのではないかと推測します
岸家のある山口県は、浄土宗信仰の厚い地域で有名です。
戒名を分解して見る
まず、戒名は「晋寿」
晋三元総理の俗名から、1文字が使われています。
次に、院号「紫雲院殿」
紫雲とは、法然上人が夕方西の空に紫の雲を見つけ、浄土宗を広める決意をされたものだそうです。
院号は、天皇陛下がお寺を建てたという意味ですが、足利尊氏が天皇陛下より一歩下がってという意味で「等持院殿」としことに始まります。
現在では、一般的に院殿号の方が、位の高い戒名とされるようになっています。
次に、道号「清浄」
ここで、よみかたに注意が必要です。
通常であれば、「せいじょう」と呼んでしまいますが、仏教的には「しょうじょう」となります。
また、せいじょうと呼んでしまうと、「政譽」せいよ と同じ「せい」がかぶってしまいます。
戒名は、同じ読み方をしないという原則がありますので、せいよではなくしょうじょうとなります
最後に位号「大居士」
日本のために、尽くされてきた総理にふさわしい大居士号と授かっておられます。
戒名を見ただけで、その方の生き様や、お人柄が見えてくるものです。
素晴らしい戒名であると思います。
お墓について
岸信介元総理の戒名とお墓
秀鳳院殿信誉蘭芳箕山大居士
しゅうほういんでんしんよらんほうきざんだいこじ
箕山が戒名であり、箕とは、お米をふるい分けるミの事です。その箕の山に蘭が香り、そこに優れた鳳の鳥が飛んでくるのは信仰の力によるものであるという意味だそうです(参考/現在戒名総覧:大洋出版社)
祖父である岸信介元総理のお墓は、山口県田布施町「長安寺」と静岡県御殿場市の「冨士霊園」二か所にあるそうです。
山口の菩提寺に納骨し、分骨を富士霊園にお納めされたのでしょう。
佐藤栄作元総理の戒名とお墓
戒名:周山院殿作徳繁栄大居士
しゅうざんいんでん さくとく はんえい だいこじ
周山は雅号、周とは、広くいきわたる、こまやか、誠、恵、救済の意味があります。
また、山は、山口県の山でもあるでしょうから故郷の山をめぐると考えることも出来ます
この戒名には、恩師 吉田茂元総理の法号に用いられている徳の字が同じようにつかわれています
吉田茂元総理の戒名
叡光院殿徹誉明徳素匯大居士 えいこういんでん てつよ みょうとく そが だいこじ
徹(つらぬけ)る誉は、明らかな徳 深い叡智の光
お墓は、山口県布施町と杉並区 築地本願寺別院の二か所に分骨されている
上記の戒名は、山口県の菩提寺より授かった戒名ですが、築地本願寺でも法名を頂いています
法名:作願院釋和栄 さくがんいん しゃく わえい
法名は、西本願寺 大谷光照門主から授けられたものです。
院号の作願は、阿弥陀浄土に生まれるための五念門(礼拝・讃嘆・作願・観察・廻向)の一つからお借りしたもので、浄土に生まれ変わりたいと真摯に願う事です。
作の字は、本名の栄作の作でもあります。法名は和栄 ここにも本名の一字を生かしています
戒名が二つもあるの?二つもあって迷いませんか?
戒名が、二つ以上あるケースは、まれにございます。
もっとも、浄土宗から分かれて行ったのが、浄土真宗であり、法然さんの弟子が親鸞さんです。
同じ阿弥陀如来を本尊とする浄土の教えが基本になります。
もっとも、その前は、天台宗であり、その前は釈迦に始まります。
多くの方は、宗派にこだわりますが、もともとは、仏教は一つです。
例えば、天皇陛下のお位牌も17か所の門跡寺院に奉安されご供養されています。
位牌が17か所に別れたら、霊が迷いませんか?と現代的な考えで質問を受けることがあります。
「霊が迷うどころか、各所から祈られているので、功徳が17倍であると思いませんか?」
浄土の教えには、亡くなった方は、すべて阿弥陀様のお働きにて極楽往生が約束されています。
その事を喜び、複数個所から祈られることは、霊が迷うどころか、むしろ回向され良いことだと考えます
安倍晋太郎氏も安倍晋三元総理も67歳でご逝去
お父様の安倍晋太郎は入院先の東京都文京区の順天堂大学医学部附属順天堂医院で67歳で病死なさっておられます。
日本のために、ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。合掌
以上 勝手に戒名を解説させていただきました。安倍元総理とは、毎年裏千家初釜式にてお目にかかることはあっても、直接お話ししたことはございません。もちろん安倍元総理の戒名は、小職が授けたものではありませんので、違った解釈かもしれません。ご承知ください。
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