第5回目講座は、道号についてお話しします
道号について
戒名は、様々な構成をしています
戒名自体牌、2文字であり、全宗派共通です
その下に「位号」 戒名の上に「道号」その上に「院号」がつきます。
道号はどのような意味がるのでしょうか?
渡哲也さんの戒名で言うならば「泰然」です
その方のお人柄や生きざまが出てきます。
一休さんの戒名
例えば、とんちで有名な一休さん
正確には、一休宗純となります。
宗純というのが戒名であり、一休というのが道号です
一休みひとやすみ が表現されているのではないでしょうか?
この道号には、自然の文字が付けられるケースが多いです
「岳」「空」「雲」「華」「峰」「月」などです。
明るい方には
「明岳」など
女性には、室や華・月など
女性には、「室」として付けられる場合が多くあります。
家を守ってこられたという意味で「優室」「温室」「清室」などです
このように、道号を見るとその人柄があらわれてきます
遊び人であれば「雲」でもいいかもしれません。
真面目な方であれば「誠」など
読売新聞主催の講演会にて
神戸の読売ホールで戒名講座でお話しさせていただいたときに、一人の方から質問がありました。
「私の父は、会社を経営しており、海が大好きでした。船に乗っては、レースに出るなど海の男そのものでした。亡くなったときに菩提寺の住職と話をして戒名には「海」がつくと考えておりましたが、授かった戒名は「岳」
私は、腹が立って腹がって 父は、海が大好きで山は嫌いな人でした。
その岳を入れるなど、腹がって、檀家をやめ、お墓を移動し、新しいお寺で戒名を付けなおしました」
「そうですか。私が付けたわけではありませんが、そのご住職は、なぜ?岳とされたのでしょうか?
お父様は、一代で会社を大きくさせ、一代で信用を気づいてこられました。
海が好きという事よりも、コツコツと信頼を築き大きな山を作られたという意味ではないでしょうか?」
とお話したら、その女性は、わーと泣き崩れてしまいました。
そうですね、戒名には、様々な見方が出来ます。
海が好きというのは、個人の趣味趣向ですが、それが30年たってみた時どうでしょうか?
おじいちゃんは、どんな人だったのでしょうか?
海が好きというのであれば、「あーそうか」だけですね
しかし、おじいちゃんは、コツコツと真面目に信用を築いてこられ、立派に会社を発展された創業者です。
だから「岳」という文字がついている。
遺族の私たちも先祖も見習って、しっかりと信用を作り上げていきましょう
おじいちゃんありがとうございました。チーン
となるのではないでしょうか?
お父様のためにご住職は、考えに考えた末代まで続く
「すばらしい道号」だったんですね。
簡単にはいかないのが戒名です。
戒名一覧
道号は、赤い文字です。
利休宗易居士 千利休
*茶人や歌人など、茶名・歌名・雅号が道号に使われるケースが多くあります
大光院力道日源居士 力道山
陽光院天真寛裕大居士 石原裕次郎
花香院麗風妙舞大姉 大原麗子
大雲院雷蔵法眼日浄居士 市川雷蔵
秀岳宗光禅定門 明智光秀
満寿院叡彩心酔大居士 池田満寿夫
石森院漫徳章現居士 石森章太郎
峰雲院文華法徳日靖居士 井上 靖
也風流庵大拙居士 鈴木大拙
慈照院和道法郎居士 坂上二郎
竹久亭夢生楽園居士 竹久夢二
安楽寿院功誉文林徳潤居士 谷崎潤一郎
コメント