戒名を授かる儀式

令和3年12月5日 神奈川県平塚市にある「円宗院」にて授戒会を開催しました

戒名は、死んでからでなく、生前に授かるもの

終活を考える中で問題となる「戒名」

子供が娘しかいない場合、お墓はどうすれば良いのでしょうか?

菩提寺もなく、一代で築いてきた人生

夫婦にもしもの事があった時に、誰が葬儀をしてくれるのだろうか?

子供たちに迷惑をかけたくない

生前に戒名をお授かりになる方の多くは、自分の死に関して、遺された子供たちに迷惑をかけたくない!

とおっしゃる方が多くなりました。

最近のテレビCMでも、「母は、お葬式は小さくていい・・・」というフレーズで流れています。

誰も、子供たちに迷惑をかけて死のうなど思っている方はありません。

もっとも、葬儀が迷惑なものでしょうか?

葬儀=大変=お金がかかる

とお考えの方が多いのが現実ではないでしょうか?

葬儀費用は、葬儀の規模が小さくなれば、安く済ませることも出来ます。

祭壇やお花など一切を省いて、火葬のみの「直葬」といわれている葬儀があります。

これであれば、最低限の費用まで節約して葬儀を行うことが出来ます。

戒名は、安ければいいのか?

葬儀など消費税等がかかるものは、値引きや上限が通常決まっています

しかし、お寺に対する「お布施」には、定価がなく、「お気持ち」という言葉に集約されます。

これが困ったことですね。

当院では、目安を公表しておりますが、これはとても問題のある行動であります。

目安を出すことによって、そのものが商品となり、対価となり、布施の精神から離れていってしまいます。

布施とは、自主的なもので、金額の多寡ではありませんね。

しかし、お寺との付き合いのない方にとっては、どうすれば良いのか?わからずに結果お困りになるのです。

 

戒名で一番いい方法が、生前に授かる事です

亡くなってからの戒名では、どれぐらいのお布施をすればいいのか?

皆さんは、戒名の種類(ランク)によってお布施の金額をお考えになります。

院号ならば、100万円・・・など、商品としての部分が強くなりますが、

戒名講座などでお話ししていることは、そのものの値段ではなく、

なぜ?戒名料が高いのか?

そして、そのお布施は、どのように使われているのか?

そんなこともお考えいただければと思います。

お布施は、決して住職が贅沢をするものはありません。

お寺があずかったお布施は、お寺を利用される皆さんのために使われている。

ですから、お寺は、準公共性を持っており、どなたでもお参りすることが出来るのですね。

いつも、気持ちよくお参りできるお寺もあれば、草がぼうぼうで本堂が雨漏りしてつぶれそうなお寺もあります

お寺であっても、お金がなければ、電気代や水道料も払うことが出来ないものですね。

かといって、菩提寺なら、自分のお寺ですからお布施に抵抗はないのでしょうが、

霊園にお墓があり、お寺との縁はほとんどない。

亡くなって、初めてお坊さんを紹介していただき、初めて会ったお坊さんに葬儀をしていただき、一度だけの付き合い。

それなのに、戒名の文字数によって多額のお布施が必要だったと不満をこぼされる方も多くあります。

それは、まさにお寺の在り方、付き合い方に無知であるとしかいえません。

戒名は、元気なうちに授かっておく

さて、話を戻しますが、戒名=死後の名前と思っている方はとても多くおられます。

これは、全く違う事です。

戒名とは何か?

当院では、戒名について戒名ホームページやユーチューブ インスタライブなどでたくさん発信しております

戒名とは、「戒律」を授かり、仏教徒として、仏弟子になったときに師匠からいただく名前です。

ですから、私は、10歳の時に戒名を授かっています。

本来は、生前に授かるべきことなのです。しかし、生前に縁がなくて授かる事が出来なかった人は、救われないのか?

いや、今からでも急いで授戒し、戒名を授かろうと「しかたなく亡くなってから授かるようになった」のが現代の戒名事情です。

生前戒名を授かる授戒会は、浄土真宗であればおかみそりともいわれています。(本来の戒名の意味合いが違いますが、詳しくは戒名のページを見てください)

どの宗派も、生前戒名を授かる儀式を行っておられますので、この機会にぜひ授戒をおススメしております

まず、説戒(せっかい)

説戒
戒名の意義について説明

 

はじめに仏弟子となるための心構えや、戒律についてお話しします。

何のための戒名であり、どのようにこれから生きていけばいいのか?

戒律とは何か?心に戒律を練りこんで、仏弟子として残りの人生を歩んでいきます

剃髪
頭を剃る儀式

 

儀式が始まると、「剃髪 ていはつ」という頭をする儀式があります。

これは、剃刀を頭に当てるだけで、実際に剃るわけではありません。

もっとも、私の長男の授戒会では、丸坊主になりましたが・・・(長男の授戒会

授戒会
昔の得度授戒時の写真です(2010年7月)

 

寂聴さんも、こと得度式の剃髪時が報道されていたように、この時はとても緊張するものです。

その場で剃髪するわけではありませんが、冷たい剃刀を頭に当てられると、ドキッと身が引き締まる思いがしたことを思い出します。(42年前)

その後、読経が奉読され、焼香です。

いわゆる、葬儀式を今行っているのです。

葬儀は、さよなら、さよならと言っているのでも、仏様よろしくね。と言っているのでもありません。

この時に、懺悔し、仏教としての戒律(5戒)を誓うのです

1,殺すなかれ 不殺生戒

2,盗むなかれ 不偸盗戒

3,うそをつくなかれ 不妄語戒

4、みだらな異性関係を持つなかれ 不邪淫戒

5,酒を飲むなかれ 不飲酒戒

この5つの誓いを仏様の前で誓うのです。

そして初めて、仏教徒として認められるのですね。

はて?5番目のお酒を飲むな!という戒律があるが、住職がお酒好きは周知の事実。戒律を守ってないとお叱りの言葉が聞こえて来るようです。

また、お酒を飲まれる方にとっては、こんな約束できないので、やっぱりやめるという方もあるでしょう。

大丈夫です

戒律は、決まり事ではなく、自分で自分に課す誓いです。失敗することも人間であり、失敗すればまた、誓えばいいのです。

捨戒の説法といわれますが、何度だっていい。自分の心に戒律を持ち、少しでも近づいていこうとする姿勢が大切なのですね

なを、お酒を飲むことが悪いのではなく、お酒を飲むことによって心が乱れ、自分を見失うことを禁止しているものです。

ちょっとホッとされた事でしょう。

そう考えると、亡くなった後から、上記のような誓いを立てても意味がないものと言えますね。

そうです。

仏教は、死んでから役に立つものではなく、今生きている人間のためにある教えですね。

私たちが、この苦しみの人生の中で、どのように生きていけばいいのか?それを教えていてくださっているののが仏教であり、経典であり、仏像です。

お経は、死者へのBGMではなく、お経は、生きるためのバイブルですね。

戒名を授与
戒名授与

 

授戒会が終わると、「戒名授与」が行われます。

通常であれば、はじめてこの時に自分の戒名を知らされるのですが、当院では、事前にお知らせしております。

これは、授戒会に参加できない方もあるからです。

体調の変化など急遽参加できない方も多いことから、先にお授けし、その用紙をご持参くださり、当日仏様にお戻しし、正式に授かるという流れをくんでおります。

ある意味、事前に戒名を知ることは出来る分、自分の人生を見直し、決意をもって授戒会に参列されます。

今回は、ご夫婦で生前戒名を授かりました。きっと、夫婦で戒名を見せ合い、話し合われた事でしょう

最後は、ニコニコしてお帰りになりました。

新しい名前お授かり、新しい人生を生き直す。

それは、仏弟子としての歩みであり、人生を輝かせるあゆみです。

今まで、俺がおれがと、自分中心だった人生が、仏弟子となることで、「縁」を感じ、支えあう優しさを知り、「利他」の精神が生まれ、「感謝」の毎日になっていくと思います。

今日は、おめでとうございました。

別の部屋では、御朱印や写経・つちぼとけ教室が行われていました。

小さなお寺ですが、毎月第1日曜日は、たくさんの方がお参りになります。

ぜひ、お立ち寄りください。合掌